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「では、新しく来た先生を紹介します」
その声を合図に
俺たちはステージへと上がる
生徒達の視線が一気に
俺たちに向く
ステージに上がる先生達の気持ちが
今日、初めて分かった
こんなに緊張するんだな…
前を見る事が出来ず
俺は思わず俯いてしまった
「では、一言お願いします」
「はい。…みなさん、初めまして。今日からこの学校でお世話になります、桜井紘です。担当科目は体育です。これからよろしくお願いします」
紘がそう言い終わり頭を下げると
体育館中に拍手の音が響いた
紘はそれに対して笑顔で返し
小さく息を吐いた
次は…俺の番…
「では、桐谷先生お願いします」
「…はい。…みなさん、初めまして。今日からこの学校でお世話になります、桐谷歩夢です。これから頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします」
俺がペコリと頭を下げると
紘と同じく、体育館中に拍手の音が響く
ちゃんと言えた…
俺はホッと息を吐いた
そして、少し長い式が終わり
俺たちは体育館を後にした
その後は、職員室で
いろいろな事を教えてもらったり
先生達と話をしたりした
帰る頃には、2人ともヘトヘトで
でも、やり切ったという達成感もあった
「明日から、頑張ろうね?」
「うん。一緒に頑張ろう」
「歩夢の白衣姿…早く見たいなー…」
「まだ言ってたんだ…それ…」
「だって見たいんだもん!絶対似合うんだろうなー…」
「ニヤニヤしすぎ。気持ち悪いよ、紘」
「ひどっ!それひどくない?!」
「ひどくない」
「えー?!」
すっかり暗くなった道を
2人で歩きながらそんな会話をした
明日から…頑張ろ…
俺、紘がいるから、頑張れる気がするんだ…
だから…
一緒に頑張ろうね?紘…
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