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05 紘side
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体育館に入ると
もう生徒達が集まっていた
初めての授業は1年B組
…よし、頑張るぞ
「おはよう!」
「あ、おはようございます!」
「これで全員かな?」
「多分、全員だと思います!」
「よし!じゃあ授業始めようか」
まだ不安はあるし
かなり緊張してるけど
でも、大丈夫な気がした
このクラスの生徒達なら
「先生〜!何歳ですか!」
「ははっ…いきなりだな!」
「イケメンっスね!先生!」
「お世辞言っても何も出てこないよ?」
「えー!出てこないんスか!?」
「あははっ!面白いね、君!」
「あざーす!俺、橙野水輝っていいます!よろしくです!」
「橙野くんね。よし、覚えたはず!よろしくね!」
橙野水輝(トウノ ミズキ)くんは
明るく元気な少年で
背は俺より少し高く
茶色に染められた髪が印象的だ
「で?先生、何歳ですか?!」
「そんなに知りたいの?」
「知りたいです!」
「ははっ…じゃあ仕方ないな〜。初めてだし、自己紹介するね?」
「待ってました!」
「今年1年間このクラスの体育を担当します、桜井紘です。年は21歳!大学を卒業したばかりの新人教師です。1年間よろしくお願いします!」
俺が自己紹介を終えると
拍手が体育館内に響いた
橙野くんは満足げに笑いながら
俺を見ていた
「あ!先生、質問!」
「ん?何かな?」
「彼女はいますか!」
「…え?彼女?」
「Yes!先生イケメンだから、彼女とかいそうだなって」
「彼女かー…」
何って答えればいいのかな…
歩夢が俺の彼女?いや彼氏?
うーん…難しい…
男と付き合ってるって言ったら
みんな引くかな…
「先生?どうしたんですか?」
「え?あ、いや何でもないよ!」
「…質問変えます!」
「え?」
「好きな人はいますか!」
「好きな人かー…。いるよ」
「おぉぉお!!」
興奮したように
橙野くんが俺に近づいて来る
「青春っスね〜!先生!」
「ははっ!青春なのかな?」
「青春っスよ!」
この子…本当明るいな
こうゆう風に生徒と話せるなんて
何か…嬉しいな…
「おいおい、水輝。今日は一段とテンション高いな、お前」
そう言いながら前まで歩いて来た
1人の少年
橙野くんの友達かな?
「えへへ♪ほら、恍も一緒に盛り上がろうぜ!」
「仕方ねぇな。お前の相手してやれるの俺くらいだもんな?」
「知るか!」
そう言った橙野くんの顔は
うっすら赤くなっていた
そして2人仲良く肩を組み
元気にどこかへ向かって走り出してしまった
「え?!ちょ、どこ行くの?!」
「体育館倉庫でーす!」
「バスケットボール取って来まーす!」
「バスケか…。よし!今日はみんなでバスケしよう!」
俺がそう言うと
みんな元気よく返事をした
その後、俺も生徒達に混ざり
久しぶりにバスケをした
もう不安も緊張も
どこかに吹き飛んでいた
こうして、初めての授業は
生徒達のおかげで
楽しく終わる事が出来た
この調子で
これからも頑張ろう!
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