アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
05
-
話し始めて数十分
仕事の話や高校時代の話
大学の時の話など
いろいろな話をした
「2人とも、頑張ってるんだね~!」
「まぁ、一応ね!」
「学校の先生も大変そうだけど、頑張ってね!」
「うん、ありがと!」
気のせいかな…
さっきから愛斗の顔が暗い気がする
やっぱり…
何かあったのかな…?
「なぁ…愛斗…」
「ん?どうしたの?」
「…何かあった?」
「……え?どうして?」
「何か…顔が暗いから…」
気のせいかもしれないけど
でも…何となくそんな気がするんだ
「…いつもより元気ないように見えるし…」
「…まーくん、何かあったの?」
「…………」
愛斗は何も言わず
ただ黙って下を向いていた
「…さすがだね…歩夢は…」
「…え?」
「俺の心の中とか…全部見抜いちゃうんだもん…すごいよ…」
「そんな、すごくないよ」
ただ、そうゆう事に関して
少し敏感なだけ
…心配になるんだ
誰かのそうゆう顔を見ると…
「…何かあったなら…教えてほしい…。聞く事しか出来ないけど…でも、楽になれると思うから…」
「そうだよ、まーくん。遠慮せず言って?」
「歩夢…紘…。ありがとう…」
「当たり前の事だよ。気にしないで」
誰かの役に立ちたい
悩んでいる人を助けたいんだ
愛斗は大切な友達だから…
尚更その思いが強くなる…
そして愛斗は
ゆっくりと口を開き
静かに語り始めた
「…実はね…」
「うん…」
「最近…琉衣とすれ違ってばかりなんだ…」
「すれ違い?」
「うん…。最近会えてなくてさ…。琉衣…医者だし…。研修とか夜勤とかで忙しそうだし…。なかなか会えなくて…。それで少し…寂しくなっちゃって…」
「そうゆう事か…」
お互い、仕事仕事で
なかなか会えずにいるって事か
すれ違い…か…
俺たちもこの先…あるのかな?
「忙しいのは分かってるし…会えないのも仕方ないと思ってる…。でも…どうしても感じちゃうんだ…寂しいって…」
「それ、琉衣くんに言ったの?」
「ううん。言ってない」
「言わないの?」
「…言えないよ。忙しそうだし…。それに…怒らせちゃったから…」
「怒らせた?」
滅多に怒らない琉衣が
愛斗に怒ったのか?
ケンカ…かな?
「何があったのか、教えてくれる?」
「…うん…実はね…」
気まずそうに
顔を俯かせながら
愛斗は話し始めた
その時だった
「…あ、メール…。琉衣からだ!」
「おぉ、よかったじゃん!」
メールの相手が琉衣だと分かった瞬間
愛斗の顔は明るくなった
何やかんや言って
ちゃんと愛されてるんだね、愛斗は
「2人とも、ありがと!じゃあ僕、帰るね」
「うん!バイバイ!」
「じゃあね」
「バイバーイ!」
嬉しそうに笑いながら
愛斗は走り去って行った
「俺たちも帰ろっか?」
「うん、そうだね」
「…ほら。手、繋ご?」
「う、うん…」
差し出された君の手を
少し遠慮がちに握った
そんな俺の手を紘は
ギュッと握りしめた
そしてそのまま
君に手を引かれながら
俺たちは家へと向かった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 300