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02
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診察室を出た俺は
出口に向かって歩いていた
「…あれ?」
すると、どこかで見た事のある顔が
俺の視界に入って来た
スーツ姿に黒い髪
黒縁メガネをかけた少年…
「…翔くん?」
その姿は、翔くんに
似ていた
真剣な顔…でもどこか悲しげな目…
顔色も少し悪いように見えた
どこか…具合でも悪いのかな…?
「……紘…くん?」
そんな事を考えていると
不意に翔くんと目が合い
翔くんは驚きながら
俺の名前を呼んだ
何も変わらない翔くんの声に
少し安心感が芽生えた
「久しぶりだね、翔くん」
「…うん、久しぶり」
でも、どこか違う…
翔くんの声は…弱々しかった…
「…今日はどうしたの?体調悪そうだけど…大丈夫?」
「え?あ、うん…!大丈夫だよ…!」
どこか無理して笑う翔くんは
明らかに辛そうだ
「またそうやって無理して笑う…翔くんの悪いくせだよ」
「…ご、ごめん…」
「謝らないでいいよ。…それでどうかしたの?」
「…………」
俺の質問に
翔くんは何も言わない
言えないような事なのだろうか…
「…場所…変えてもいいかな?」
「うん…」
弱々しい彼の笑顔と声に
俺は嫌な予感がした
そんな予感を感じつつ
俺たちは屋上へと向かった
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