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unrequited love story.02 崩れ去る日常
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想太が入社して
1週間がたった
あいつは意外と覚えがよく
教えた事がすぐ行動に移せる奴だ
まだ入社1週間目だというのに
テキパキと仕事をこなす想太に
俺は思わず感心してしまった
バカな奴かと思ってたけど
そうでもなさそうだな…
俺より少し背の高い想太は
茶色の髪と右目の下にある泣きぼくろが特徴で
気づいた事は照れた時に
泣きぼくろをかくくせがある事
そして…あの無邪気な笑顔…
あの笑顔を見ると…
胸が苦しくなる…
理玖の事はもう…
諦めたつもりでいたのにな…
もう大丈夫と思ったのに
全然そんな事なかった
ずっと思い続けた相手への気持ちは
そう簡単に消えてくれる訳もなく…
俺はこうして今も…
理玖の事が諦められないでいる
「…翔?」
「…っ」
そんな事を考えていると
ふと誰かに名前を呼ばれた
「そろそろ時間だけど、大丈夫?」
「…想太…。うん、大丈夫…」
見上げた先には
心配そうな顔をした想太がいた
「それならいいけど」
「…うん。ってこれから何かあるっけ?」
「え?聞いてない?今日、健康診断があるんだよ?」
「健康診断?そんなのあったっけ…」
「うんうん。昨日、課長が言ってた。もしかして聞いてなかったの?翔らしくないなぁ」
「…ボーッとしてて聞き逃してたのかも。教えてくれてありがとう」
課長の話を聞き逃すなんて…
俺らしくない…
それだけ、俺の頭は
想太と理玖の事でいっぱいなんだ…
「おーい!そろそろ行くよ~!」
「あ、うん…」
想太の後を追いかけるように
俺はオフィスを出た
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