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「お疲れ様でしたー!」
「お疲れ様です!」
仕事が終わり
みな、一斉に帰り始める
俺もカバンを持ち
立ち上がった
「…いっ…!」
イスから立ち上がった瞬間
頭に激痛が走る
またか…
これで何度目だろう…
激しい痛みのせいで
俺はフラついてしまった
「…おっと…。大丈夫?翔」
「…想太…。ごめん…ありがと…」
フラついた俺を支えてくれたのは
想太だった
「本当に大丈夫か?顔色悪いし、フラフラしてる」
「…大丈夫だって。…心配しないで」
と言いながらも
痛みは増すばかり
ズキズキする痛みが
俺の頭を支配する
「…ごめん。先に帰ってて…」
「…分かった。じゃあ、また明日」
「…うん、また明日…」
想太は少し不安そうな顔をしながらも
オフィスを後にした
想太がいなくなったのを見計らって
俺は床に雪崩るように座り込んだ
「…うっ…痛い…っ」
頭を抱え込むようにして
俺は座る
このオフィスには
俺以外誰もいない
「…いつまで持つのかな…俺の体…」
健康診断を受けるまでは
ただ、頭が痛い…その程度だったのに
健康診断を受けてから
その頭痛は日に日に痛みを強くなってきている
「…明日…病院行くか…」
ちょうど、明日は
検査に来てほしいと言われている
その時に…薬を貰おう
そうこうしているうちに
頭痛は少しずつ治まっていった
「…帰るか…」
誰もいないオフィスで1人
ぽつりとそう呟いた
少し重たい体を引きずるようにして
俺はオフィスを後にした
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