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「翔くん…こないだの事…決めてくれたかな?」
診察室に入るなり
先生は俺に聞いた
「…まだ…決めてません…」
「…何を悩んでいるのかな?やっぱり…入院するのは嫌かい?」
「…いえ…別にそうゆう訳じゃないんです」
「じゃあ、どうして…」
入院するのが嫌なんじゃない…
別に入院するくらいどうって事ない
でも…何でかな…
体が拒否してるんだ…
手術を受ける事を…
治療する事を…
「…これ以上無理をすると、本当に危ない」
「………」
「自分でも分かっているだろう?もう…限界だという事を…」
「……っ」
「君の体は…もう限界を超えている。これ以上無理をさせる訳にはいかない。…入院してもらうよ?」
普段のマイペースなイメージとは裏腹に
先生は少し怒ったような…真剣な顔をしていた
「…分かりました…。会社に行って…そう伝えて来ます…」
ちょうど、今日
この病気の事を伝えるつもりでいた
今日で最後…
会社を辞めて…入院生活
「…何で…こんな事に…」
つい、声に出してしまった
悔しかったんだ…
「…俺の人生…めちゃくちゃだよ…っ」
愛する人に忘れられ
愛する人を奪われ…失い
挙げ句の果て病気になるなんて…
運がない男だな…俺は…
「…会社に行って…それから荷物をまとめて…またここに来ます…」
「うん、分かった…」
自分の人生を恨みながら
俺は診察室を出た
そして、フラつく足で
会社へと向かった
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