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unrequited love story.05 ごめんな 想太side
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「…翔…どうしちゃったんだろ…」
俺は、空いたままの右側の席を見ながら
そう呟いた
ここ数週間
翔はここに来ていない
メールを送っても
返信はない
電話をかけても
応答なし
「…本当…どうしたんだよ…」
そう言えば、最近…
体調が悪そうだった
顔色も悪いし
フラフラしてるし
「大丈夫か?」と聞いても
「大丈夫だよ」としか返って来ない
あいつ…まさか…
俺に隠し事してるんじゃ…
会って間もないけど
でも、あいつは何でも1人で抱え込むくせがある
あと、無理して笑うくせ…
「そんな所まで…あいつとそっくりだなんて…」
少し、昔の事を思い出しながら
俺は呟く
翔と初めて会った時
俺は、あいつの目に何かを感じた
眼鏡の奥にある
あのどこか切なげに揺れる目…
何かを見つめる目…
俺はそれに見覚えがあった
だからこそ俺は
翔をほっておけないんだ…
気になる…
もっと知りたい…
そう思うようになっていた
でも、翔は
それを拒んでいるように見えた
俺と必要以上に
親しくしないように…
そうしているように思えた
「…本当…そっくり過ぎて…怖いよ…」
今ごろ…何をしているのだろうか
心配だな…
「おーい新垣〜!この資料頼む」
すぐ近くに座っていた先輩が
何やら少し厚い資料を持って
こちらに駆け寄ってくる
「これ、全部ですか?」
「あぁ。この半分は俺がやるから、お前はあとの半分を頼む」
「あ、はい!任せて下さい!」
先輩のその言葉に
俺は笑顔でそう答えた
まさか、君が…
苦しんでいる事も知らずに…
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