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rev .0-③
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「ふーん、そういうことか。自信過剰なおバカさんがやりそうなことだな」
クロードと話し終えたコードネームCは、組織の上層部のひとりに連絡を取っていた。思い当たる節があったようで、未確認と言いながらも情報を提供してくれた。ちなみに彼との会話はドイツ語と決まっていた。
『騒ぎになって、こちらのことを嗅ぎ付けられるのは困る。適当に誤魔化してくれ。そういうのは得意だろう』
言われるまでもなく、クロードに会いに日本へ行くつもりだったが、私用ではなく仕事になりそうだ。
「好きに暴れていいってことかよ。費用全部そっち持ちだぜ」
『かまわんさ。おまえが動けば、全て無かったことになるからな』
彼はK容認派のひとりである。組織トップの座を狙っており、今回の件をうまく使うつもりでいる。
「あんたにメリットがあるのはいいとして、俺のメリットは?」
利用されるだけというのは、アルファベットの通り名を持つ者のプライドが許さない。
『Kに恩を売れるチャンスだろ』
「そんなにすげえ奴なのかよ、もうオッサンだろ」
AとJを処理し、挙げ句にクロードをSから引きずり下ろした。力があることはわかるが、実際関わったことがないため、評価のしようがなかった。
『自分の目で見極めてこい。評価に値しないというのなら、どさくさに紛れて処理すればいいさ』
「出張費プラスオプション付きか。そういうことなら引き受ける。パスポートと航空便の手配大至急ヨロシク!」
向こうの返事を聞くことなく、Cは電話を切った。組織の中でも、彼はとにかく仕事が早いことで有名だから。
さーて、面白くなってきたぞ。
Cは口笛を吹きながら、部屋の隅に置いてあるスーツケースを取り出し、中を開いた。
「世界の全てがどういうことか、じっくり教えにいこうかね」
スーツケースには、拳銃二丁と予備の弾丸がぴったり収まっていた。
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