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※愛を望む空虚な人形
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翌晩もその翌晩もそのまた翌晩も春斗は俺を抱いた。ありったけの性欲をぶつけるように激しく、時に恋人を思いやるように優しく、俺じゃない誰かに向けて胸焼けしそうなほどの甘ったるい声で何度も愛を囁いた。
間違ったことをしているのはわかってる。だけど「秋にぃ、お願い」と言う声があまりに弱弱しくて強く拒むことはできず、そうして毎晩毎晩弄ばれた体はいつの間にか快楽を待ちわびて疼くようになってしまった。
今夜もまた部屋に来た春斗が、俺という人形に誰かを重ねて、俺の体を弄ぶ。
常夜灯の微かな明かりがぼんやり照らすその顔に、弟の面影はどこにもなかった。
「っ、んぁ」
春斗の指が熱く昂った先端に触れる。そのまま指先で擽るように裏筋を撫で下ろすと根元を握りこんで扱き始めた。
途端に大きくなる声が春斗の口に吸い込まれていく。
俺の声よりこれの音のほうが大きいんじゃないかと思えるほどの激しいキスに、力が抜けて何も考えられなくなる。
徐に離れた唇から垂れ落ちる唾液の糸が顎先に落ちて、その小さな感覚にさえも体が震える。
春斗はそんな俺を見下ろしながら膝を掴んで開脚させると、ひくつく尻穴に先端をあてがった。
「……入れるよ」
「ん゛、ぅ、……ふ、ぅっ」
痛みはあまり感じなくなったものの、この瞬間はいまだに慣れない。
圧迫感を和らげようと息を吐けば、春斗が背中に手を差し込んで優しく撫でてくれる。
その手に若干の虚しさを感じながらもねだるように春斗の首に腕を回して体を少し浮かせれば、動きやすくなった手はゆっくり背中を上下する。
春斗が抱いてるのは俺であって俺じゃない。春斗が優しいのは俺に重ねた誰かを想っているからだ。
わかってる。ちゃんとわかってる。なのにどうして俺の体は喜んでしまうのか。
これ以上は怖くなって腕の力を緩める。それを合図に春斗は律動を始めた。
「あっ、あ、ひっ、う、ぁ」
突かれるたびに口から声が漏れる。
「はっ、ぁ、……っ、ふぅ」
耳に春斗の熱い息がかかる。
その感覚に思わず腰を跳ねさせると春斗は体を震わせて動きを止めた。
「くっ……、ぁ」
「はぁ、は、あ……っ、んん゛ぁっ」
律動が止まったのは束の間。次の瞬間には腰を激しく打ち付けられ声が大きくなる。
春斗は俺の頭を抱えるようにして口元を体で覆うと耳元でより熱い息を吐いた。
「はぁっ、はっ、ぁ、い、して、る、……ぅっ」
春斗の愛は日に日に甘さを増していく。
いつからだろう。その愛を横取りしたいと思うようになったのは。
どうせ行き場がないなら、この空っぽの体に愛を注いでくれればいいのに。
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