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いじわる
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AM9:30、授業が始まった。
俺は先生の話を聞き流しながら窓を見ていると、ふとその前に座っている
新井君と目が合う。
にやりと笑うと口パクで何かを言った。
ゆ・う・と。そういってる。優音?
お、俺の名前じゃん。
まだその名前で呼ばれるのに慣れてなくて、顔が赤くなる。
慌てて新井君をにらんだけど、もうその時には新井君は前を向いてい
た。
くぅぅ......絶対わざとやってる! なんか悔しいな。
よし、今度仕返ししてやる。
授業が終わると、俺は新井君に話しかける。
「新井君!」
「んー?」
「あの、お昼一緒に食べようよ、友樹も一緒にさ」
「……いいけど、優音、弁当あるんじゃないの?持って来てなかった?」
「あ、あれは......おやつだよ」
「おやつなんて持ってきてるの?ふふ、かわいいね」
「??よくわからないけど、後であげるね」
「ありがと」
「新井と優音、なんかすげー仲良くね?」
そう言いながら僕らの横に友樹が並んだ。
「えっ、そんなことな」
「仲いいよ~」
新井君が僕の言葉をさえぎっていった。
俺が無言で軽く新井君をにらむと、新井君はまた俺の頭をなでてきた。
何でかわからないけど、それをされると抵抗できなくなる。
俺は恥ずかしくなってうつむいた。
「あんま優音いじめんなよ?」
「わかってるよ~。でも優音もまんざらじゃないみたいだし、ね?」
そう言って新井君は真っかな俺の顔を手で包んだ。
「ちっ、ちが!」
俺は慌てて後ろを向いて、ご飯を取り出した。
も~、新井君はいじわるだ。
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