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俺は布団にもぐって、じっとしていた。
するとしばらくして、ドアの開く音がした。
来たみたいだ。
俺は慌てて布団から出て出迎えた。
「さっきぶりだね」
「うん」
新井君はまだパジャマではなかった。
こんな時間に僕とあいたいだなんて、何か理由でもあるんだろうか?
「急にどうしたの?」
「いや、とくに理由はないけどさ。会いたくなった」
そういうと彼は俺の隣に座ってきた。
「なんか、あった?」
「何もないけど、ただ優音に会いたかっただけ」
そう言うと、俺の手を握ってきた。
「ちょっ……」
びっくりして手を離そうとしたけど、彼の手は離れなかった。
「ごめん。嫌だった?」
「いや……じゃ、ないけど」
「そっか」
新井君は俺の手に指を絡めてきた。
恋人つなぎというやつだ。
「あ、新井君?」
「......」
新井君はしばらくして口を開いた。
「あのさ、俺といるの楽しい?」
「えっ?」
「友樹にさ、言われたんだ。優音に無理させるな、無理やりするな、っ
て」
「......」
「優音は、俺のこと嫌い?」
「き、らいじゃないよ」
「本当?うれしいなあ。俺は好きだよ」
「あ、ありがと」
「だからさ、もっと優音を知りたいんだ」
「え?」
そう言って、新井君の顔が近づいてくる。
キスされる、と思った瞬間、俺は目を閉じた。
新井君の唇が触れたのは、俺のおでこだった。
あれ……?
「ふふ、今日はおやすみ」
新井君はそう言って、部屋を出て行った。
俺は一人、ベッドに横になった。
「……なんだ」
ほっとしたような残念なような、複雑な気分だ。
ざ、残念って、そりゃ、してほしいわけじゃないけどさ。
新井君は何がしたいんだろう。
まあ、いいか。
また明日があるんだし。……寝よう。
そう思いながら、俺は眠りについた。
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