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遊園地
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しばらく無言の時間が続く。
何か話さないと。
そう思っても、何を言えばいいかわからず、言葉が出てこない。
すると、突然新井君が口を開いた。
「週末、一緒に遊園地いかない?」
「いいよ!友樹も一緒に?」
「いや......二人がいいかな」
「ふ、二人?」
「だめ?」
「べ、別にいいけど……」
俺は思わず俯いた。
「よかった。楽しみだね」
「う、うん……」
俺はなんかドキドキしてた。……なんだこれ? なんか変な感じがす
る……。
「優音?」
「あっ、ごめん。ぼーっとしちゃって」
「俺もぼーっとしてたかも」
新井君は笑ってる。
俺はちょっと安心した。
「ねえ、優音」
「ん?」
俺は新井君の方を向く。
「キスしたい」…………? 俺は一瞬固まってしまった。……キス?キ
スって言ったよね……?
「なんてね!冗談だよ!」
新井君はそう言って笑った。
俺は胸を撫で下ろした。
びっくりするじゃん!!
「優音って可愛い反応するんだね」
「なっ!?」
か、かわいいって言われた……。
俺は恥ずかしくて、またうつむく。
「優音、顔赤いけど、どうかした?」
「な、なんでもない……」
新井君には敵わないなぁ……。
そんなことを思いながら、俺たちは家路についた。
そして日曜日。
俺と新井君は遊園地に来ていた。
新井君とは、電車で待ち合わせをして、駅で合流をした。
今は、チケットを買って入場したところだ。
新井君は楽しそうだ。
俺も楽しいけど。……なんで俺と新井君がデートみたいなことになって
るんだろう。
「遊園地ってさ、どこかより、誰と行くかが重要なんだよ」
一瞬意味が分からなかったが、意味を理解して、なぜだか顔が赤くな
る。
それって、僕と行くのがいいんだってことだよね?
……嬉しいかも。
「まず何乗る?」
「ジェットコースターとかどう?」
「よし、行こう!」
新井君は張り切ってる。
俺もワクワクしてきた。
列に並んで待っていると、だんだん緊張してくる。
「大丈夫か?優音」
「うん。最近乗ってなかったから、少し緊張してるだけ」
「そっか。じゃあ、おまじない」
新井君は俺の頭をポンッと叩いた。
「新井君……」
新井君は優しく微笑んでる。
「ありがとう」
俺は笑顔で返した。
新井君は本当に不思議で、でも優しい人だと思った。
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