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スキンシップ
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あれから少し経った。
新井君は宣言通り、俺のことを好きにさせようとしているのか、前よりも
スキンシップが多くなった気がする。
今もこうして俺の膝の上で寝ている。
というのも、今日の夜。
休みの日だから朝から本を読んでいたら、急に新井君がやってきたん
だ。
いつも通り
「好きだよ」
といわれた。
もう言われるのにはなれている。
いつも通りの反応をしたのが気に障ったらしく、
好きになってくれるまではなれない、といって膝の上に寝転んで寝始め
たんだ。
仕方ないから俺は新井君を起こさないように、スマホで音楽を聴くこと
にした。
新井君はすっかり眠ってしまっている。
俺は新井君の顔をじっと見つめる。
顔にかかった髪をそっと払った。
かっこいい顔してるよなあ。
お、おれ、キスされたんだよね、あの時......
そう実感してしまってドキドキする。
も、もうちょっと......
俺は新井君の顔に手を添えた。
その時。
ドアが開いた。
「おーい、光希い......る?」
友樹が部屋に来たのだ。
友樹は俺たちの光景を見るなり、
「失礼しました~」
って言って帰ってしまった。
なんか勘違いされてない!?
慌てていると、新井君が目を覚ました。
新井君と目が合う。
ドクン。
その瞬間、なぜだか心臓が高鳴った。
な、なんで?
「おはよう、優音」
新井君は笑顔で言った。
俺は何故か体が硬直して何も言えない。
「優音?」
「あ、え、うん。おはよ」
「どうしたの?」
「なんでも、ない」
俺はぎこちなく答える。
「ふぅん」
新井君は俺の膝の上から離れると立ち上がった。
そして扉に向かって歩いていく。
「優音、俺帰るね」
「う、うん」
俺が好きになるまで離れないんじゃないの?
言葉にならない気持ちが心に生じる。
何かを言いたい、けどわからない。
あんなにスキンシップして、くっついてきたのに、そんなすぐに帰っ
ちゃうの?
どうしよう。
なに、この気持ち。
何か伝えたいのに!
あーーもう!!
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