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僕の上に跨がり、涙を流す彼にぎょっとする。この子は今、なんといった?
「僕としたいの?」
顔が上下に動く。なんてことだ。てっきり、ダメなものだと思っていた。
彼は過去に、不特定多数の男たちに襲われている。人目のつかないところで寝るから、中性的な見た目とおとなしそうな雰囲気が格好の的になったんだろうけど、何度襲われても変化はなく、自己防衛をきちんとするようになったのは高校生くらいだったはずだ。
行為そのものが嫌になっていると思ったのに。
「君は嫌じゃ、ないの?」
「気持ちいいのはすごく好きよ?」
思っていたことを訊ねると不思議そうな顔で首をかしげている。……僕はとんでもない勘違いをしていたんじゃなかろうか。見守り方をひどく誤ったかもしれない。
「ちゅーはよくわからなかったけど、それ以外が気持ちいいのはずっと前から知ってる」
ゆっくり話される彼の一語一句が淫らで、僕の思考を狂わせる。セーラー服姿の恋人はとにかくかわいらしくて、この角度は精神的によろしくない。
「ねぇ、俺とシよ?」
「っ」
人差し指を口元に寄せて微笑む姿が、艶っぽくて息を飲んだ。彼のこんな顔、僕は知らない。彼に手を出した男たちは皆、これを見ているというのか。それは、許せないな。
「言葉の意味、わかってるんだよね」
「うわっ」
彼を寄せて抱き締めると場所を入れ替わる。下からの眺めもかわいいけれど、彼を楽しむならこの位置が一番だ。誘ってきたのは彼だから、責任は最後まで取ってもらわないと。
「んんっ」
目尻に溜まっていた涙が動いた衝撃で流れ落ちる。それを舌で舐めとると彼から息が漏れた。頬やおでこ、瞼の上と口をつけていく。そのたびに上がる声が、気持ちを高揚させる。
「訑灸は、これだけでも気持ちいいんだね」
「しゅうのちゅーが、優しいからぁ、っん」
顔へ軽くキスしただけなのに、頬を赤く染め、気持ち良さそうに目を細める姿がかわいくて堪らない。こんな子を野放しにしていたのかと思うと過去の自分を殴りたくなる。
彼の口を再び塞いで、今度は舌を彼の唇に伸ばす。普段なはなかなか開けてくれないけど、今はとても積極的だから自ら絡めようと必死になっていた。いや、ほんとにえろかわいすぎ。
「っふ、……んっ」
その間にセーラー服の裾から右手を忍ばせ、肌に触れてみる。Tシャツくらいは着てると思ったが、それ以外は身に付けていないようだ。これも友人の入れ知恵なんだろうか。
脇やお腹周りを中心に触ると小さく身体が揺れ、甘い吐息が口から溢れる。瞳をうるうると潤ませながら物足りないと訴える視線が突き刺さり、いたずら心が芽生える。
一度口付けをやめて左手で彼の髪に触れながら、顔に触れるだけのキスを落としていく。当然右手は上半身を愛撫し続けるけど、胸から上は触らない。
「うぅ、しゅうがいじめるぅ……」
「君はそれ以外にないの」
焦らされるのが我慢できなくて、あうあう泣き出した恋人の涙を口付けて舐めとっていく。そこまでいうなら、なにをしてほしいのか確認しないと。
「訑灸はどうしてほしいのかな」
「ぅえっ?」
「これじゃあ、満足できないんでしょ?」
にっこり微笑んだら彼の視線が困ったように泳ぎだした。まさか、訊かれるとは思ってなかったようで、僕の首に回っていた両腕の内、左手がのろのろと離れていき、僕の右腕を掴んだ。
「ここも触ってほし、んんっ」
いや、感度。感度よすぎじゃないこの子!?
右手が彼の胸に当たるように動かして要求したと思えば、少し触れただけの指に身体をびくびぐと反応させて声を上げる。たった一瞬、それも僅かに触れただけで、うっとりと顔を惚けさせて嬉しそうに笑みを浮かべた彼があまりにも妖艶で、理性を持っていかれそうになる。ここで流されたら、終わりだ。正直に言う、最後までするつもりは断じてない。
元々彼が持つ素質なのか、襲われていた反動なのか、今となってはわからない。だけど、僕の前以外で下手に手を出してはいけないことだけははっきりとわかった。これは、隠し通さなければ……!
「ねぇ、さわってよぉ……」
思考を巡らせていると、涙を浮かべて待っている彼がいた。ちゃんと伝えたのに待たされている彼は限界だったのだろう。左手を離すとそのまま服の中に突っ込んだ。行き先は先程触れた胸の突起。
「ふっん、あっ……んんっ」
僕は今なにを見せられているのか。右手の甲で口を塞ぎ、左手はひたすら自分の胸を愛撫している恋人の姿が目の前にある。
……君、こんな素振り今までなかったよね? どこまで我慢してたの。
一緒に寝るときも、キスをしているときも、お風呂に入るときも、ほぼ一緒にいるが彼から誘いを受けたのは今日が始めてで、今までこんな素振りは一切なかった。
「そんなに気持ちいいの、訑灸」
「やっ、やめっ」
耳元で囁くと身体を震わせる。こうなった彼はどこを刺激しても、感じるようになっていた。
彼の首に舌を這わせて、首筋に優しく吸い付く。それからセーラー服を捲り上げ、上から見下ろして彼が気持ちいいと思う手の動きを眺める。
「そんな風にするのが、好きなんだ」
「ぅあっ、っは。ゃ、まってぇ」
彼の手の上から同じように指で刺激を与えると、声が一際大きくなる、優しく触れたり、撫で回すより、つまみ上げたり、強く転がす方が彼は好きらしい。左のそれだけが愛撫され、朱くぱんぱんに膨れて立っている。硬くなったそれは転がすたびにとれるんじゃないかと思えた。
「ひゃあっ、な、なめちゃ……んんっ」
左ばかりを愛撫してはかわいそうだから、右の突起を口に含む。触れてないにも関わらず十分な硬さになっているそれを舌で転がし、軽く歯を立てる。
「やぁ、ん、んんっ」
抑えきれない声と響く水音が室内に響く。目線だけ向けると口から涎を垂らしながら、身体を襲う快感に先程よりもうっとりと惚けている恋人の表情がある。小刻みに身体を震わせ続ける彼の様子があまりにも過敏で、一抹の不安が脳裏を過る。……これだけで感じすぎてない? 大丈夫だよね?
どちらにせよ、このまま止めたら間違いなく彼の反感を買う。せめて、彼だけでもイかせてあげなければ。本来なら淫らな姿に燃えそうなところだけど、あまりにも感度が良すぎるから今は早く解放してあげたかった。何度も言う、僕は最後までするつもりはないんだ。
「ぁあっ!?」
スカートを盛り上げるほどパンパンに膨れた中心を服の上から優しく触れる。突然訪れた強い刺激に、彼の目が大きく開かれる。そのまま撫でるように触れると再び彼から不満の声が漏れた。
「ちゃ、んと、さわってよっ」
「触ってるけど、これは嫌なの?」
なんでだろう。彼の反応がかわいくて加虐心が沸き上がる。彼の意に反して、触れるだけの愛撫を繰り返す。
「うぅ、しゅうのばかぁ……ん、ふっ」
「実は器用だよね、君」
泣きながら悪態を吐きつつも愛撫する手は止まることなく、快感を求める欲望への忠実さはいったいどこから来るのだろう。これ以上焦らすのはあまりにもかわいそうで、スカートを捲ると下着の中へ手を入れる。
「ああっ」
「すっごく濡れてるね」
スカートにも染みがついていたからそれなりにとは思っていたけど、これは想像以上だ。実は、一度イってたなんてことないよね。それくらい、下着の中は彼の体液で濡れていた。
「あっ、はっ、んんっ」
「そんなに気持ちいいんだ」
抑えることもせず、声を出し続ける彼の頬を左手で撫でながら、硬くなり先走りを流すそれを扱いていく。自分で胸を弄り、下部は僕に刺激され彼の表情は完全に快楽へ堕ちていた。
「はぁっ、やぁ。ねぇ、もぉ」
……そろそろかな。
彼の訴えに応えるため、口元にある手をずらして耳元で囁きかける。
「イきたいんだろう? いいよイっても」
僕が許可することじゃないけど、なんとなく彼に伝えないといけない気がしてそう伝えた。
「ぅあ、も、だめっ……んんっ」
彼がイク直前、勢いよく両手で顔を挟まれてそのまま口付けをされた。舌を絡めるようなものじゃなくて、本当に触れる……口を塞ぐだけの口付け。
それから彼の手が力を無くし離れていく。顔を離して目に入ったのは、目を閉じ力無く横たわった恋人の姿で意識はない。
……待って、これだけで、やりすぎたことになるの?
思わぬ性癖の発覚に、頭を抱えるのだった。
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