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定時を迎え、紙袋を大切に抱えて家に帰る。
先輩はまだ帰ってきてくれる様子はないけど、柳津さんのおかげでしばらく眠れそうな気がする。
食事なんてどうでもよくなって、シャワーで汗を流して、洗い立ての綺麗な体でベッドに入る。
ごめんね、先輩。
先輩がいつ帰ってきてもいいようにして待ってるって思ってたのに、今の俺は欲望に忠実すぎた。
先輩のパーカーの匂いを、鼻の穴の内側がいっぱいに広がるくらい嗅ぐ。
「………好き…っ、先輩……」
ここ最近抜いてすらいなかったから、結構溜まってる。
ズボンに手を入れると、熱を持ち、少し硬くなって勃ちかけていた。
匂いを嗅いだだけでこのザマだ。
「はは…。発情期の猿かよ……。」
素直すぎる自身の性器を見て自嘲する。
でも、なんか今ならイケそう…。
アルバムを引っ張り出し、先輩が感じてる写真を見ながら自身を擦る。
「……はっ…、ぁ……クッ…」
前は途中で萎えてしまい、イクことすらできなかった。
でも今日は、怯えられるって感じではなかったし…。
手を握った時、気のせいかもしれないけど、ほんの少し先輩の頬が赤く染まった気がした。
もしかして、まだ好きでいてくれてるんじゃないかって、そんな希望が俺の中にはあって。
「……ふ……、ぁ…先輩…っ、先輩っ…!!」
情けない声を出してるのも気づかないくらい、頭の中は先輩でいっぱいだ。
優しく笑う先輩、怒る先輩、泣いてる先輩、照れてる先輩、恥ずかしそうな先輩…。
いろんな先輩が頭に浮かぶ。
アルバムを見たからか、脳内に浮かぶのはエッチな先輩の割合が多かったけど。
「ゔっぁ…!!」
先輩のパーカーに顔を埋めたまま、手の中に射精した。
自慰特有の虚しさと、気怠さに襲われる。
「そういえば、捨てろとか言われたなぁ、これ…。」
先輩の最中の写真ばかり集めた赤いアルバム。
先輩は捨てろと言ったけど、捨てなくて本当によかった。
こんなにも先輩がいなくて辛くて寂しいのに、溜まるもんは溜まるんだもんな…。
こんなことしてんの見られたら、先輩に下心だけのヤリチンだと思われちゃうな…。
パーカーを抱きしめて、もう一度深呼吸した。
実態がないことに深く傷付く。
寂しい。
ぎゅぅっとパーカーを抱きしめても、抱きしめ返してくれる腕も、「痛いよ、バカ。」って幸せそうに笑う顔もない。
「うぅ……、先輩……」
寂しくて仕方ないのに、先輩の匂いは安心して、うとうとと眠くなってくる。
このまま寝たら、下カピカピになるけど……。
もういっか…。誰に見られるわけでもないし。
明日朝イチでシャワー浴びればいっか……。
何もやる気が起きなくて、眠気に襲われるままに目を閉じる。
ここ数日ろくに眠れていなかったのもあって、簡単に寝入ることができた。
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