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土曜日。
先輩に距離を置こうと言われてから一週間。
本当に長かった。
距離を置くのはいつまで?
期間とか……教えてくれるわけないか。
二日酔いで昼過ぎまで寝てて、今起きた。
スマホを見ると柳津さんからのメッセージ。
最近柳津さんからの連絡多いな…。
先輩情報もらえるから助かるんだけど。
『綾人が俺の家出て行った。本人は大丈夫って言ってるんだけど、一応気にしてやって。』
はぁ?!
あの人何してんだよ!!
せっかく信頼して先輩のこと預けてたのに、何が出て行っただよ?!
「先輩どこですか、……と。」
『今日は実家帰るって言ってたけど。』
なんだ…。よかった……。
ほっと胸を撫で下ろす。
実家なら宿には困らないよな…。
あの人、放っておくと何やらかすか分からないから心配だ。
宿もないのに、もし外で飲んだらと思うと……。
「あー…。連絡しちゃダメかな……。」
居場所を知りたい。
先輩の安否さえ知れれば、とりあえず安心する。
ダメ…だよな。距離置いてるもんな…。
こんな時に助けてあげられない俺って、マジで彼氏失格じゃん。
「…………あー、もう。クソ…。」
心配すぎてソワソワするから、無心になるべく料理に没頭する。
先輩が帰ってきてくれた時のために、レパートリーを増やしておく。
俺の料理、なんでも美味しいって食べてくれるんだ。
思い出すだけで可愛いな…。
料理していると、なんだかんだと時間は過ぎていき、作ったついでに飯も食って、いつの間にか20時。
先輩は今頃実家で、あのブラコン弟と寝る準備をしているのだろうか…。
ぼーっとテレビを見てると、スマホがチカチカと光った。
メッセージかと思ったら、着信…?
「麗子ママ?何?」
『夏くん!大変よぉ〜!』
「だから、何が?」
『○○駅に私のお友達がやってるゲイバーがあるんだけどね、そこで綾ちゃんが飲み潰れてるらしいのよぉ〜!』
「……は?」
『ベロベロのお客さんが来て困ってるって、常連さんがウチで見かけたことある気がするってママに教えてくれたみたいでねぇ、写真送られてきたんだけど、これどう見ても綾ちゃ……、って、夏くん??』
先輩がゲイバーで酔い潰れてる?
は??どういう状況だよ??
つか、実家じゃなかったのかよ!?
「麗子ママ、急いで位置情報送って。」
『わかったわぁ。私のお友達のお店なんだから失礼のないようにねぇ?』
「はいはい。……あ、それとありがと。じゃあ切る。」
麗子ママから位置情報が送られてきたのを確認して、電話を切って駅まで走る。
ここからだと最速でも20分はかかるか?
先輩…、無事でいてください……。
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