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先輩が待っている駅に着いて、走って改札に向かう。
駅前に立っている先輩を見つけた。
キャリーバッグを持ってるってことは、もしかして…。
家に帰ってきてくれるんじゃないかと、淡い期待。
俺の心はブワッと花が咲き誇ったように明るくなる。
「先輩っ!」
「久しぶり…でもないか。」
「久しぶりです!」
4日も会えなかった。
恋しくて堪らなかった。
先輩の手をぎゅっと握ると、先輩は顔を赤くして繋がれた手を見つめた。
「あの…、お話って…。俺の話も聞いてくれますか…?」
「うん…、聞くよ。」
!!!
話を聞いてくれる。
やっと…、やっとだ。
「あのっ…、家じゃダメですか…?話すとこ…」
「………いいよ。」
?!!
ダメ元で言ったお願いが通って、思わず言葉に詰まる。
「でも、一個だけお願い聞いて…。」
「お願い?」
先輩は不安そうに俺の服の裾をつまんだ。
可愛い…。
上目遣い可愛すぎる…。
「俺が逃げないように、手繋いでて…?」
「も、もちろんです!!」
「痛い(笑)」
「あっ…、すみません!つい…」
右手を差し出され、俺はすぐに両手で先輩の右手を握ったが、力み過ぎて先輩は苦笑して俺を見つめた。
少し手の力を弱め、優しく握りなおす。
逃げないように手を繋ぐって何?!
逃すわけないですけど。
「家着くまで離さないで。」
「当たり前です。」
というか、家着いても離してあげられる自信ない。
可愛すぎる。ヤバい。手汗すごい。
引かないで、先輩…。
「先輩、荷物俺が持ってもいいですか?」
「いいの?」
「はい。持たせてください。」
先輩の手を恋人繋ぎで握りなおし、逆の手で先輩のキャリーケースを受け取った。
周りのカップルや女の子グループが、チラチラと俺たちの手元を見ていることに気づく。
先輩が気にしてるんじゃないかと顔色を伺うと、先輩は周りの目に気づいていないのか、それとも無視しているのか、気にしている様子はなかった。
いいのかな?
俺はむしろ見せつけたいからいいんだけど。
電車に乗ってる間も、先輩の手をしっかり握って、幸せのひとときを味わった。
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