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先輩が洗面所に行ったから、前に拓磨さんが先輩用にくれたトリートメントを持って追いかける。
保湿ができる洗い流さないトリートメントらしい。
ドライヤー前に使うって言ってたよな、たしか。
先輩の髪に振りかけると、先輩は不思議そうに俺を振り返った。
「何?」
「保湿のトリートメント。ドライヤー前に振ってもいいんです。」
「いい匂い…。これ好きかも。」
先輩は自分の髪に触れて、指をクンクン嗅いでそう言った。
ハーブみたいな匂い、好きなんだ…?
「じゃあ俺も後で使おっと。」
「城崎のじゃないの?」
「拓磨さんと会った時に、新しい商品が入荷したから、先輩用にってくれたんです。」
「でも俺、いつもの城崎の匂い好きだよ?」
「どんな匂いか覚えてくれてるんですか?」
しまった。
つい嬉しくて、試すようなこと聞いてしまった。
重いだろ、こんなの…。
おそるおそる先輩を見ると、先輩は何でもないような顔で答えてくれた。
「うん。柑橘系だろ?」
嘘…。
覚えててくれてたんだ。
先輩、あんまりこういうの気にしないと思ってた…。
ただでさえ先輩が好きで堪らないのに、これ以上好きにさせてどうする気なんだ、この人は。
「正解。なんか匂い覚えられてるって恥ずかしいですね…。」
「早く風呂入ってこい。」
「ここで脱ぐけど、いいですか?」
「…っ!出るから待ってっ!」
服を脱ごうとすると、先輩は顔を真っ赤にして洗面所から出て行った。
今の反応、何…?
初々しすぎない?
「可愛すぎなんですけど……。」
ついに耐えきれなくて硬度を帯びた自身をタオルで隠し、俺は浴室に入った。
「あー……。やば。」
今日一日やばくないか…?
先輩が家に帰ってきてくれて、触れられて、可愛い先輩たくさん見れて。
いや、一ヶ月ぶりで忘れてたけど、先輩って無意識に可愛いんだよ。マジで。
先輩と離れてから時々しか抜いてなかったソレを握ると、今なら簡単にイケそうな気がする。
「……っ」
やべぇ…。
少し扱いただけなのに、濃い白濁が浴室の床に飛び散る。
こんなに下心丸出しな俺を見たら、先輩は幻滅してしまうんじゃないだろうか。
一人で慰めることくらいは許してほしい。
だってめちゃくちゃ先輩のこと好きなんだもん、俺。
可愛い先輩見たら、シたくなってしまう。
でも今は、まだ先輩はそういうの無理だから…。
先輩が安心できるまで待つんだ。
我慢しなくちゃ……。
冷水にかかり煩悩を飛ばしてから、湯船に浸かって体を温めた。
このあと一緒に寝るとか大丈夫か?
硬くして先輩にバレるまでオチが見えてるんだけど。
タオルで髪の水気を取りながら浴室のドアを開けると、まだ先輩がいた。
「あ…。」
「?!!?!」
先輩は俺を見て顔をリンゴのように染めて、慌てて洗面所から出て行った。
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