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貴方色に染められて③
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「俺は元々ゲイだけど、お前はノンケだ。昔、女と付き合ってたのも知ってる」
「千歳さん……」
「俺は女みたいに胸も無ければ、フワフワもしてない。お前に抱かれるのなんて真っ平御免だし、男同士は結婚もできない」
成宮先生の大きな切れ長の瞳が、ユラユラと大きく揺れた気がした。
「俺は……お前を縛り付けておける手段も、魅力もねぇんだよ」
成宮先生に、痛いくらいギュッと抱き締められたから、思わず顔を顰める。成宮先生の抱き締める力の分だけ、胸の痛みが伝わってきた気がした。
「葵は、俺の物だろう?」
「うん……俺は先生の物だよ……」
「抱くぞ、葵……」
「……うん。抱いて……?」
せっかく作ったシチューが冷めちゃうな、なんて頭の片隅で思いながらも、素直にソファーの上に押し倒される。こんなに熱っぽい顔で迫られたら、断ることなんて俺にできるはずなんかない。
チュッチュッと口付けられれば、それだけで気持ち良くて……俺は蕩けてしまいそうになる。夢中で成宮先生の首にしがみついて、唇が離れそうになれば、更にその腕に力を込めた。
「どうした?今日はヤケに積極的じゃん」
「だって、だって……」
成宮先生が自分のことでヤキモチを妬いてくれることが嬉しいだなんて、正直俺もイカレてる。だって、こんなに独占欲が強くてワガママな恋人なんて、尻尾を巻いて逃げて行くのが普通だろう。
でも、それが嬉しいだなんて、この目の前にいる男に洗脳されてしまった、としか思えない。
自分のぺったんこの胸をまさぐる手も、食われちゃうじゃないかってくらい激しく口付けてくる唇も、気持ち良くて仕方ないんだ。
「あ、ふぁ……千歳さん……気持ちぃ……」
「ふふっ。やけに積極的かと思ったら、今度は可愛いくらい素直だな」
「んぁ、あ、あ、はぁ…」
成宮先生がパチュンパチュンと腰を動かす度に、俺の口からは甘い甘い吐息が漏れた。もう随分長い時間、こうやって繋がっているのに、気持ちいい波がなかなか引いてはくれない。
最初は成宮先生に肌を晒すことさえ恥ずかしかったのに、今となっては素肌を重ねることが心地よくて仕方ない。
ソファーに組み敷かれて、女の子みたいに股を大きく開かされて……それでも飽き足らずに、俺は先生の腰に足を絡ませた。
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