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素直になれないクリスマス②
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おかげで、今日は喘ぎ過ぎたせいか声はガラガラだし、腰も痛い。キスをし過ぎたせいで唇もヒリヒリと痛いし、睡眠不足で眠くて仕方ない。
「ふぁ……」
大きな欠伸をしながらナースステーションへ入ろうとした瞬間、看護師さんと成宮先生の楽し応な話声が聞こえてきた。
ソローッと中を覗き込めば、実に爽やかな顔で数人の看護師さんに取り囲まれて、ニコニコと愛想を振りまいている成宮先生がいた。
成宮先生だって睡眠不足だろうし、あんなに激しい運動をしたんだから、さぞやお疲れだろうに。それでも、とても爽やかな表情をしている。それだけではない。彼の周囲には燦燦と眩い朝日が差し込み、爽やかなミントの香りまで漂っているようだ。
俺は、何を話しているんだろうと聞き耳をたてた。
「成宮先生は、クリスマスは予定とかあるんですか?」
「えー!気になる!やっぱり彼女さんと過ごすとか?」
若い看護師さん達が興味があるのは、どうやら成宮先生のクリスマスの予定らしい。きっと、彼女達はあわよくば成宮先生とクリスマスを過ごしたい……そう思っているのだろう。
「えぇ……クリスマスは仕事だから、今年もクリスマスどころじゃないですよ」
「そうなんですか!?以外!!そういうイベントごとは大事にされているのかと思ってました」
「とんでもない、クリスマスなんて、いい年したおじさんが喜ぶようなイベントじゃないんですよ。いつも通り、静かに過ごしたいものです」
まだ湯気の上るコーヒーを口に運びながら微笑めば、看護師さん達の目が輝いた。
「じゃあ、もし良ければ私達と……」
「それはごめんなさい。聖なる夜は、静かに音楽でも聴いて過ごします」
「そうですか……」
看護師さん達がガッカリと肩を落とす。
成宮先生の目は笑っていたけど、俺は気付いてしまった。
『俺が君達みたいなレベルの女と、飯にでも行くと思ってるのかよ?図々しい』
そう、その目が物語っていることを……。
それに、俺は少しだけ呆れてしまった。
「何が音楽でも聴きながら静かな夜を、だよ。昨夜、あんな激しいセックスしといて」
俺は何も知らないフリをして、ナースステーションに入って行った。
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