アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
バレンタインに愛の囁きを⑥
-
「で?」
「で?って……これが全てですけど……」
「あははは。馬鹿じゃん」
「ご、ごめんなさい」
俺の話を全部最後まで聞いてくれた成宮先生が、思わず吹き出す。そして、涙を流して笑い出した。
「なに?お前、そんなに俺が好きなの?」
「はい。大好き……です」
「そっか」
成宮先生が愛しそうに微笑んで、俺の額に自分の額をコツンとくっつけた。
成宮先生の吐息が、顔にかかってくすぐったい。
「大丈夫だよ。俺は、葵を本当に本当に愛してるから。だから、そんなに不安になるなよ」
「……はい……」
あぁ、成宮先生の優しさが心に染み込んで、綺麗に積もった雪を全部溶かしてく。
あったかい。
「俺も、俺も……千歳さんを愛してます」
これで自分の全てをさらけ出してしまった。もう俺に、切り札なんか残ってない。全部、全部成宮先生にあげちゃった。
「ありがとう。1年越しの愛してる、だな」
「もしかして……」
「うん。ずっとずっと待ってた。お前から言ってくれるのを」
成宮先生が照れ臭そうに、でも幸せそうに笑う。
「すげぇ嬉しい。ありがとな」
「千歳さん……」
「ありがとう」
それから優しく唇を重ね合わせた。
雪が降りしきる中、暖房もろくに効いていない部屋にいた俺達の唇は、氷みたいに冷たくて。
お互いに唇を啄み合い、強く強く抱き合いながら温めあった。
もう不安になんかならない。
成宮先生、俺は貴方が大好きだ。
「それに葵はさ、もう俺から離れられるわけねぇだろう?」
「え?なんでですか?」
目の前の恋人が、実に『成宮千歳』らしい自信に満ち溢れた顔でニヤリと笑う。
「だってさ、俺は、そんないい加減にお前を愛してきたわけじゃないから」
「え?」
「お前、忘れられんか?俺とのキスも、セックスも……この体で、もう他の奴と寝ることなんてできないだろうが?」
「あぅ……ふぁッ……」
「ふふっ。ほらな?こんだけ、俺が可愛がってきた体なんだから」
成宮先生は意地の悪い手つきで、いつも彼を受け入れている場所を、慣れた手付きで撫でたたりくすぐったりしてくる。
俺はそれだけで、ピクンピクンと体を震わせて、喚起に打樋枯れてしまうんだ。
「もう絶対無理……」
「ん?」
「貴方以外の人と肌を重ねるなんて……」
「いい子だな、良くわかってんじゃん?」
俺が猫のように媚びれば、満面の笑みを浮かべる。
「やりたい……なぁ、葵……抱いていいか?」
「はい……貴方のお気に召すままに……」
成宮先生がニッコリ微笑んで、そっと俺を床に押し倒す。
後は、この唇と体と、心を……貴方に捧げるだけだ。
「千歳さん」
「ん?」
「雪が綺麗ですね」
「うん。綺麗だな」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
66 / 67