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「坂崎」
息がだいぶしやすくなって顔を上げれば先生が隣に座っていて背中を摩っていた
ゆっくり息をするのを続けながら僕はもう片方の先生の手を握る
先生、僕まだ生きてないとだめかな
本当に生きてていいのかな…
こうなるといつも考えてしまう
この息苦しさを感じる度に、息をすることもだめだと言われてる気がして
「……せんせい」
「だいぶ落ち着いたな。良かった」
先生と目が合って頭を撫でられる
それだけで安心した
まだここにいてもいいと…生きていてもいいと言ってくれてるみたいで
でも、でもとそんな先生の表情を壊すように否定する自分もいて
結局はぐちゃぐちゃになって、わからないままにただ泣くばかりだった
「…っ、ぅ…く」
「…坂崎」
高橋の声が聞こえる
涙が止まらないままに、少しだけ顔を向ければ同じように今にも泣きそうになっていた
どうして…そんな顔をしてるの
高橋には何も関係ないのに
ただ僕と同じクラスメイトで同室なだけ
いじめられてもなくて友達もいて部活も出来るすごい人
ああ、同情なのかな
何も持ってなくて何も出来ないから可哀相とか思ってるのか
寄りかかりながら先生にしがみついた
「部屋、戻るか?」
うんと頷いて二人で部屋に戻った
ベッドに座ると先生も隣に座ってくれてそのままゆっくりと抱きしめてくれた
「祐」
先生は僕と二人のときだけ名前で呼んでくれる
…身内、だから
「高橋と何かあったのか?」
「…な、にも」
気付いたら背負われていただけで、何もされてはいない
「ただびっくりした…だけ」
「そうか。何もされてないなら良かった」
先生はいつも僕の味方でいてくれる
本当は…死にたいとか、そういうのも知ってるから隠すことも何もないんだけど
ただ口に出すのが少し躊躇う
ぐちゃぐちゃになってわからなくなって死にたいと言ったときは、先生すごく泣きそうだった
それが忘れられなくて
「…ごめん、なさい」
「いや、いいんだ。家族なんだから困ってたら飛んでいく。俺も学校内にはいるんだから連絡してくれ。番号教えただろ」
僕は教えてもらったけど、あまり先生に連絡してなかった
保健室の先生だから時間関係なく忙しいと思ったし僕の為にいろんなところに飛んでくるのが申し訳ないなってどうしても考えてしまう
「迷惑とかそういうのじゃないからな」
口を閉じた僕をあやすように背中を叩く
……どう、すれば
どうしていけばいいんだろう
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