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28 高橋side *嘔吐表現注意
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高橋side *嘔吐表現注意
「どれにしようかなー」
近くのファミレスは病院が近くにあるからか、混んでいるけど綺麗なところだった
「俺はホッケの定食。高橋は?」
「え、っと俺は…」
メニュー表を見ても、いまだ決められずにいた
写真が普通の量なのになんだか多く見えて、なるべく見ないようにしてたのも…あるんだけど
「俺はカツカレーと小サラダにしようかなー」
桜井さんもどうやら決まったようで少し焦る
…どう、しようかな。なるべく少なそうなやつはどれだろう
「えっと、エビのトマトソースにします」
鳴らすよ、と言って桜井さんが呼びボタンを押すとすぐ店員さんが来てそのまま注文をした
料理が来る間、これからどうすればいいのか先生から聞いた
先生だけはもう一回病院に行くけど、俺と桜井さんは寮へ帰ることになった
…明日はちゃんと坂崎に会いに行こう
土曜日だからちょうど学校もないし、病院を離れるような予定もない。部活は、しばらく行かないことにした
西田にこっそりメールしておこう
「お待たせしました。ホッケ定食の方ー、カツカレーの方、と小サラダです。エビのトマトソースの方」
だめだ、やっぱり気持ち悪い
「…高橋君?」
はっとして桜井さんの方を見る。いつの間にか下を向いてたのに気付かれた
「大丈夫じゃないね、トイレ行こうか。達也、先食べてていいから」
素直にソファーから立ち上がると桜井さんに連れて行かれる
「ちょっと我慢してね。すぐだから」
何でもないトイレが、怖くなっていくのがわかった
「はぁ、はぁっ……」
トイレの個室に入って座り込んでも、一向に…吐き出せなくて桜井さんはそんな俺の背中を擦っている
もう吐き出してもいいのにいざってなると、怖い
吐くのが…怖い
「……吐けない? 吐いちゃった方が楽になるよ?」
楽にはなりそうだけど、その行為が怖くて息を乱すだけに終わっていた
「はぁ、げほ…っ、はぁ…は…」
すんでのところで無意識に止めちゃってて上手くいかない。首を横に振って桜井さんに伝える
「もしかして吐くの、怖い?」
いつもより優しい声で聞かれて、小さく頷いた
「でも、身体が出してって言ってるから出してあげないと。少し強引だけどごめんね」
そう言って桜井さんの指が口の中に入る
これって…と思った瞬間、急な吐き気に口を押さえようとしたけど間に合わなかった
「あ、い、ゃ…げほ、お、ぇ」
喉の奥を押されて、思いっきり嘔吐く
怖い、やだ…
いつの間に俺はこんな弱くなったんだろうか
ずっと桜井さんが面倒てくれてるけど、きっと俺のためじゃなくて坂崎のため
だから…、でも…今のこれが、怖くて仕方ない
吐き出してから結構経つのに、一向に治まらなくてまるで地獄のようだった
「はぁ、はぁ…げほ、おぇっ」
たまに胃液が出てくるけど吐き気が止まらない
息が苦しくて体が情けないほど震えてるのがわかって、涙も出てくる
俺の目を誰かがそっと手で覆った
「はい、そこまでね。あんまり嘔吐くと疲れるからおしまい。ゆっくり息吸って、吐いて。もう一回ね。………まだ気持ち悪い?」
気分はまだ少し悪かったけど、最初より全然良くなっていたから首を横に小さく振った
「…口濯いで、一回戻ろうか。コップ借りてくる」
そう言っていなくなった桜井さんに俺は目を閉じて深呼吸を続ける
…これ以上吐きたくなかった
昔からこれだけは苦手で、汚いし…すごく疲れる
気持ち悪くても我慢出来るから小さい頃以外はそうしてきた
「はい。コップ。手動かせれる?」
なんとか頷いてまだあまり力が入らない手で口を濯ぐ
ぐったりする俺に桜井さんは慣れたように支えてやっとの思いでトイレを出た
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