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…学校、久しぶりだな
引っ越しをすることが決まって気が楽になったのか、教室にいることがいつもより嫌じゃない
相馬君たちが今回も何もしないでいてくれたらもっと良いんだけど
「……」
教室では僕は一人、高橋は西田君に捕まって話をしている
ぐるりと教室を見てみるとみんな友達と話をしていた
先生が来るまでのこの時間、友達がいない僕は落ち着かない
どうすればいいのか、わからない
…やっぱり、来ない方が良かったのかな
最後の登校日にしようと思って来てみたのに、やっぱり何も変わらなかった
「坂崎だ!」
誰かが僕の名前を呼ぶ。そこも変わらない、相馬君達が来た証拠だった
「おい。こっち来い」
「……」
「っ、坂崎」
高橋が僕の方へと机にぶつかりながらもこっちに来ようとする
だけど三人の内の一人が高橋の前に出て邪魔をしていた
「邪魔なんだけど」
「邪魔してるからね。相馬、坂崎が来ないからもうイライラしっぱなしなんだよー、ストレス発散させてあげてくれない?」
「ストレス発散なら別に坂崎じゃなくてもいいだろ。俺ですればいい」
どうする? と聞かれて相馬君はうーんと高橋の方を向いて悩み始める
嘘、だめ…やめて
「…だめ。僕がいいなら行くから」
「は、だってよ高橋。残念だったな」
ちらっと僕を見て笑う相馬君に高橋が目を見開く
「坂崎!」
「おっと、行かせないよ」
「邪魔だ! 坂崎、だめだって…行かないで」
相馬君に腕を痛いぐらいに捕まれて教室を出る
後ろでものすごい物音がするから高橋が何かしてると思うとこれで本当に良かったのか、不安になってくる
でも、こうしないと高橋が殴られてしまうから
「そんな顔もすんだな。アイツのせいか?」
「……っ、ちがう」
「高橋が随分とお気に入りみたいだな。それに、口答えもするようになったし」
にやりと笑うのを見て肩が跳ねた。これじゃ、まるで高橋も一緒にいじめると言ってるようなものだ
「や、やめて…高橋は、なにもしてない」
「してるだろ。俺の邪魔しやがって」
「っ、してないよ…止められてるから、邪魔になってない」
ガラ、といきなりドアが開く音にも驚いて小さく悲鳴を上げる。ぐいっと腕を引っ張られて暗いどこかの部屋に僕を投げ入れた
「…っ」
「イライラしてたんだけど、さっきの顔見てちょっと楽しみになってきたんだよなー…。お前の焦ったような顔、久しぶりに見たぜ」
焦った顔…? さっき、そんな顔してたんだ
「お前をボコボコにしたら、アイツは来るか?」
「…来ないと、思う。ここ、どこかわからないし」
少し強めに言うとそりゃそうだなと呆れたように言う
「んじゃま、殴った後にでも言えば飛んで来るか。てなわけで久しぶりの地獄タイム、味わってな」
そう言った瞬間に思いっきり顔を殴られた
「げほ、けほっ…」
頭が、ぐらぐら…する
ああ…久しぶりだ、この感じ
まるでゴミのように、サッカーの練習をするかのように頭とか顔とか関係なく殴ったり蹴ったりしてくる
だから自分で守らないと今みたく、頭がおかしくなる
「ははっ! やっぱ最高だな、これだよ…!」
変な笑い声だけが嫌に耳について、至る所を蹴られて…投げられる
それの…繰り返しだ
最後に平和な学校生活を…送ってみたかったのにな
「…っ、き、坂崎!」
「ぅ…ん…」
ゆっくり目を開けると電気が付いていて高橋の顔が見えた
どうして、ここに…
「無理に動かないで」
「…っ、ぅ…」
どうしてここにいるのとか、高橋は無事だったのかとかいろいろと聞きたいことがあるのに口を開くだけですごく痛かった
「…とりあえずここを出よう。先生の所に行けば坂崎も安心すると思うし。少し動かすね、ごめん」
横抱きにして抱えられる。よく先生がしてくれたのと同じ体勢で落ちないようにと自然に高橋の服を掴む
それを見たのか一瞬、嬉しそうにして立ち上がった
――バタン、カチ
「っ、え…」
びくりと振動が伝わって見上げると驚いた顔をしていた
「ごめん、一回降ろすね」
近くの壁に寄りかかるようにして降ろすと高橋はドアをどんどんと叩いたり開けようと引いたりしていた
「くそっ!」
「…た、かはし…?」
何かが起こってるのかと意識朦朧としてる中で考える、でも頭が痛くてこれ以上は考えられない
「…閉じ込められた」
「……え」
どこかもわからない教室に二人とも閉じ込められたみたいだった
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