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「二人とも、学校は大丈夫か」
ご飯とお風呂も終わってみんなでテレビを見ていると、突然達也さんに聞かれて胸が重くなった。学校の話、出ると思ってはいたけど実際に聞かれると自然と下を向いてしまう
「……よく、わかんない」
「みんな、いい人なんだけどね。ただ、俺達のこと珍しいのか転校生だからなのか言い寄られることが多い、かな」
蒼太も言い寄られて、どうしようって学校で言い合った事もあるぐらいに頻繁に起こってることだった
「同い年なのに、頭撫でられたりも祐がされてて。すごく怖がってるから、あんまり暗くならないように説明はしてるんだけど…その、上手く伝わってないらしくて」
「スキンシップが激しいのか」
うんうん、と二人で頷いた。みんな休み時間になった瞬間に僕たちのところに来て、抱き着いて来たり頭撫でたりしてくる
悪気はないのは、なんとなくわかる…けど嫌だって言えなくてされるがままなのを蒼太が助けてくれたりしてくれてる。僕自身は嫌だとか言えなくて震えてるだけ
どうしてなんだろう…蒼太には、何もしてない
「みんな祐君が大好きだからやってるんじゃないの?」
びくりと肩が跳ねた。明良さんが嬉しそうに言う
「嫌だったらしないだろうしな」
「…そうなの、かな」
断ったら、それだけでまた嫌われそうで…また、いじめられる日々が来るんじゃないかって考えてた
みんな良い生徒ですという先生の言葉は、正直信じてなかったから
「でも、嫌だったらちゃんと言った方がいいと思うよ。祐君が嫌だってわかればきっとやめてくれる」
ふと僕のところに来た明良さんにぎゅってされる。久しぶりだな
「俺にされるのは嫌じゃないんだよね?」
「うん」
明良さんはあったかくて落ち着くから、むしろ好き。家族みんながこうしてくれるのは大丈夫
「じゃあ、俺がもしクラスの誰かだったら?」
びくりと身体が震えた。そのままどこかに連れて行かれるんじゃないか、身動きが取れないことに気付いて抜け出そうと腕を掴んだ
「…こ、わい」
やっぱり、変われてない。転校までしたのに、僕だけなにも…っ
「ごめん、怖いこと思い出させちゃったね。大丈夫」
ポンポンと背中を叩かれる。深呼吸を一緒にしてくれて、少しずつ落ち着いて肩の力も抜けた
「…ごめんなさい」
変わらなきゃいけない。じゃないと、また迷惑かける。もう、これ以上はかけられない
「…明日、みんなに言ってみる」
変わらないとここにさえ、いられない気がする
「祐。俺も一緒に言うよ」
僕の居場所がなくなっていく怖さを、知ってしまったから
蒼太がこれ以上傷つかないように、達也さんと明良さんに、心配かけないように…
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