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Lesson.5
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そろそろ年が変わる。十二月に入り、朝には必ず暖房を入れるようになった。
久住とは週末にどちらかの家で過ごすようになり、週二回欠かさず多希の職場へ通っている。
多希は人がはけた頃を見計らって、三好の元へ行った。
小さな会社だから通勤や家賃の変更申請は、直接社長である三好へ提出できるのは楽だ。
「え? 多希くん引っ越しするの?」
「はい。まあ、ルームシェアといいますか……」
多希はつい浮かれて口走ってしまった。今週末、久住のところへ住まいを移す予定だ。
提案は久住からで、物置きとして使っている部屋を整理して、多希の部屋をつくると言ってくれた。
久住の部屋がないことが気にかかったが、彼はリビングで十分だと多希に部屋を譲ってくれたのだ。
引っ越した後で服やら日用品を揃えがてら新調しようと思っているので、多希の部屋は段ボールだらけでもの寂しい。
通勤手当申請書の駅の名前を見て、何故か三好はにやついている。
「ここ、久住くんの家の近くだろ」
「な、なんで知ってるんですか……!」
「いやぁ……だって、生徒さんの住所は何となく覚えてるし」
多希の反応で交際していることを確信し、三好は書類を受け取った。
と、同時に軽く溜め息を吐く。
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