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新しい恋、ごちそうさま
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三好がお礼を言うとともに、紙袋を受け取ろうとする。
できれば多希に直接渡したかったのだが、頑なに拒むのも怪訝に思われるかもしれない。
多希に話しかけるためのアイテムは、三好の手に渡った。
「多希くんね。水曜日の夜と土日の午前が結構空いてること多いよ」
「え?」
「久住くん、女性の講師だと緊張するのかなぁ、って思って。多希くんの講義よく受けてるだろ」
水曜日の夜と土日の午前。
久住は三好の言ったことを頭に書き留める。
多希の講義は数週間前から予約が埋まっていて、その人気ぶりが窺える。
社会人で時間の縛られている久住よりも、そこそこ融通の利く主婦達に比べ、予約戦争では久住は圧倒的に不利だ。
「多希くんと頑張ってね。いろいろと。俺は応援してるからね」
攻略法を教えてもらったことに、再びお礼をしようとしたところ、後ろから「三好さん!」と呼びかける声がした。
「何してるんですか。久住さんに。あまり困らせないでください」
講義から帰ってきたらしい多希が、ずかずかと歩いてくる。
あれほど会いたいと思っていたのに、いざ本人が現れると、照れが出てきて顔を見られなくなる。
三好は潔白だと主張し、両手を顔の横で万歳した。
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