アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7巡目
-
結局、あの後はテツヤが案の定というか、バスケ部に見学に行くらしく、若干寂しそうな顔を見せながらも、体育館の方へ歩いていった。
「ーー、ふぅ。おれも、保健室行かないと」
誰に言うわけでもなく、そうポツリと漏らし、廊下を一人歩く。ーーー若干の誤算があったが、例の奴曰く、これもきっと運命というものなのだろう。今日一日で、決意したこともすぐに壊されてしまったこともそうだが、なによりもだ、またチームメイトと話すことができた。これが、後になって何かに影響しなければいいのだが…。
「ーーーと、ここ、かな?」
危ない危ない。考えごとしてたせいで、通り過ぎるとこだった。この、考えごとして周りが見えなくなる癖も直さなきゃ。
「失礼します。…わ、広いなぁ」
扉を開けて、中を見渡すと保健室と思えないほどに広く、心地よい空間だった。なんだか、この学校はつくづく一般の常識というものの上を行くらしい。それにしても、
「まだ、おれしか来てないのかな….」
そう、もう時間だと思うのだが、誰一人も来ていないとは…。
ギシ
「⁈」
いま、なにか音が…。誰かいるのか…?そんな場所……、あ。ベッド。す、と視線をカーテンが締め切ってある、ベッドが置いてあるであろう場所にいく。
「ふ、んぁーーっ」
ゆうらり、とカーテンの裏で影が揺らめき、大きく伸びをした。声からして、男だろうか。
「あー、よく寝た。つか、いま何時よ」
シャッ、とカーテンを開けて、中から出てきた男を見て、自分の顔が引き攣るのがわかる。いや、確かにさっき運命とか言ったけど、これはないんじゃ…。その男は、辺りをキョロキョロと見渡し、おれに気づいたようだった。すると、おれを見た男の顔に驚愕の色が浮かぶ。
「…お前、誠凛の……」
ーーーーえ、?
「ッいま、なんて…⁈」
「ふぁあああ、マジかよ!今年の委員達、部活生多過ぎだっつの!!」
バンッ、と大きな音を立てて開いた扉のお陰で、おれの後に続く言葉が遮られた。おれ達の視線が自然とそこにいく。立っていたのは、この部屋の主であろう人だった。
「んあ?…あれ、なぁにおめえ等勝手に俺の城入ってんだァ?…あ、もしかしてそういう関係か?今流行りらしいな。……掘ったり掘られたり」
「ざけんな!ちげーよッ!!!」
「ちょ、違いますよッ!!!」
あれェ、そうなの?
そういって、意外そうに目を細めたその人は、頭をガシガシとかきながら部屋に入って来た。
「んーじゃあ、なんなわけ?」
「保健委員の収集で来たんですが…」
「オレもそれで」
「お、おおお!なんだ、早く言えよ!ついガサツな態度で接してしまったじゃないか!」
おれ達がそう告げると、その人は急に姿勢を正し始めた。
「いや、テメェ最初からその態度で来いよ」
「ぁ、あははは」
「ま、まあ、それは置いといて、…俺は養護教諭の下尾盛親(しもお もりちか)だ」
「おれは1Bの降旗光樹です!」
「はいはい、1年の降旗クンね」
んで、君はァ?
二人分の視線がその男に向く。
「あー、たりぃ」
「そんなダルそうにすんなよ…」
ーーーそいつの、
「わぁったよ、あー、オレの名前ね」
ーーーーそいつの名前は、
「オレは1Cの、ーーー灰崎祥吾だ」
自分の名前を告げると、その男ーーー灰崎祥吾は不敵に微笑んだ。
追記
更新遅れて申し訳ないです(´・ェ・`)
テストやら検定やらで忙しく、なかなか空いてる時間を作れずに、今に至ります。たまにこんなことがあると思いますが、どうか長い目で見てやって下さいm(_ _)m
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 10