アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16
-
「で、コイツは?
お前が部屋に人を上げるなんて、珍しいな」
新がクルリと振り向き、北斗に視線を送る。
「あ~…。
えっと…かれ…し?」
要が言い淀む。
しかし、それは北斗の事を隠したい訳ではなく、単に照れくさかったから。
「彼氏!? マジでか?」
新は要を振り返り、驚愕に大声を上げる。
そして再び北斗を見ると、笑顔を向けて言った。
「あ~、悪いね、急に。
俺は幸村新、要の悪友。
間違っても要とどうこうなったりしないから、そんな睨むなよ?」
「芝浦です」
北斗がブスッとしたまま名乗る。
「ありがとな?
あんたが居てくれて、助かった」
北斗の失礼な態度にも、新は気にせず礼を言う。
そして、持っていたキーケースから一本の鍵を外し、北斗に差し出した。
「後は、宜しくな?」
無理やり北斗の手にそれを押し付けると、要の方を向く。
「良かったな。
じゃあ、帰るわ。
またな」
ポンと要の肩を叩き、新が玄関に向かう。
「ありがとう!」
新の背に要が声をかけると、ヒラヒラと手を振って去っていった。
2人きりに戻った部屋で、ソファに並ぶ。
あの後、湯冷めした要が再びシャワーを浴び終えるのを待ち、北斗の尋問が始まる。
「で、さっきの新さんって、何?」
北斗の膨れた様子に、何故か要が嬉しそうに寄り添ってくる。
「新はただの悪友だよ」
「何笑ってんの?」
「別に、笑ってないだろ?」
「い~や、笑ってる。
要さんって表情に出ないけど、俺には分かる」
「ん~。
笑ってるってよりも、嬉しいのかな…。
北斗くん、普段大人っぽいから、なんか年相応に膨れてるの、可愛い」
要が答えると、北斗の頬が羞恥に蒸気する。
「可愛いって言うなよ…。
ってか、話それた!
何でただの悪友が合い鍵持ってんだよ?」
照れを隠すように、北斗が話題を戻す。
「あ~、それは…」
「それは?」
言い淀む要を、北斗が更に問い詰める。
「俺が……、手首切ったり…したから……」
要が俯いて答えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 36