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いつものように北斗が要のアパートに泊まりに来ていた。
シャワーを浴び終え、要の元に向かう。
その日の要は、いつも以上にぼんやりとしていて、危なっかしいくらいだった。
今日は13日。
間もなく、“15日”がやってくる。
シャワーを終えた北斗にも気付かず、デスクに座って手に握る何かを眺めていた。
北斗がそっと近付くと、手には一枚の写真が握られていた。
その写真に写る男が湊だという事は、聞かなくても予測できた。
北斗がカッとなって、要の手から写真を奪う。
要が、驚きに目を見開く。
「この人が、湊さん?」
北斗の低く地を這うような声音に、要が萎縮する。
「ねえ、聞いてる?
この人が、湊さんなの?」
キツい口調と、険しい目つきに、怯えながら要が頷いた。
「いつになったら、俺を見てくれんの!?」
北斗が、奪った写真をビリッと破く。
「要さんが俺といるのは、寂しいから?
そばに居てくれれば、誰でもいいのかよ!」
言いながら、自身の言葉に北斗の胸が傷付く。
そんな事、思いたくなかったが、事実、要は湊を忘れていない。
「ごめ…、ちがっ…」
要が震えながら否定するが、上手く言葉にはならなかった。
「いいよ、もう。
そんなに湊さんが好きなら、俺は要らないだろ!?」
破った写真をグシャっと握り潰し、北斗が部屋を後にした。
「ごめ…、待って…。
違うんだ…」
泣き崩れる要の声は、北斗の背には届かなかった。
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