アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
29
-
嗚咽混じりに語る要の言葉を、北斗はただ優しく抱き締めながら聞いてくれた。
「…俺の……せいなんだ……。
…俺が、…遅れなかったら…」
要が北斗の腕の中で泣き崩れる。
「要さんのせいじゃないよ。
大丈夫。
要さんは悪くない。
湊さんも、要さんを責めたりしない。
要さんが湊さんの立場だったら、湊さんを責めないだろ?」
それは、何度も言われたセリフだった。
新も、湊の両親も、そう言ってくれた。
その度、要は寧ろ責められているような気分になっていたのだが。
北斗のその言葉は、何故かすんなりと受け入れられた。
あれは、事故だったのだ。
要には、どうする事もできない、事故。
「それに、湊さんには悪いけど…。
俺は、要さんと会えて、良かったと思ってる」
北斗が要の顎を取り、振り向かせる。
はらはらと頬を流れ落ちる要の涙を舐め取ると、次いで、深く優しく口付けをした。
名残惜しげに、ゆっくりと唇が離れる。
「北斗くん…。
抱いて…欲しい…」
潤んだままの瞳で、要が訴える。
「いいの?」
北斗の問いに、無言で恭しく頷くと、そっとベッドへエスコートされた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 36