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「龍、声抑えなくてもいい。ここは音楽室で、防音設備が整ってる」
耳元で甘やかに告げられる事実に、キョどる僕がいた。だっていつも浩司兄ちゃんの部屋でシているときは、頑張って声を出さないように、我慢するのがクセになっている。
「龍の感じてる声が聞きたい。聞かせてくれないか?」
「なんか、恥ずかしくて……」
「俺しか聞かないのに?」
小さく笑った浩司兄ちゃんが、僕の頬にキスを落とす。
「変に思わない?」
喘ぎ声をあげることが不安だったので、思いきって訊ねた。
「大好きな龍の声を、変に思うわけがないだろ。むしろ、もっと好きになっちゃうかも」
「ホントに?」
「うん。今の声だけでも、かなりきた」
そう言って器用に僕のネクタイを解きながら、やんわりと耳朶を食む。
「んぁっ、くすぐったい」
「じゃあ、どこなら感じる?」
低くて艶のある浩司兄ちゃんの声を聞いてるだけで、感じさせられているというのに――。
「どこならって、ああっ!」
ダイレクトに股間に触れた手が、いやらしい動きでまさぐった。感じ過ぎて立っていられなかった僕は、慌てて浩司兄ちゃんの首にしがみつく。
「龍のココ、いつもより硬くて大きいのは、アイツらに触れられたから?」
「ちがっ……浩司兄ちゃんだか、ら。学校でこんなこと、する…なんて、んうっ!」
質問に答えるのも、かなり必死だった。理性をどんどん崩していく浩司兄ちゃんの手の動きで、否応なしに呼吸が乱れていく。
「ここでスることに興奮して、龍はエロくなってるんだ。腰が動いてる」
「らって、浩司兄ちゃの手がっ……ぁあん、気持ちいいっ」
「エロくて綺麗な龍を、誰にも触れさせない。俺だけのモノにする」
僕の躰をぎゅっと抱きしめてから、ゆっくり床に押し倒した。解いたネクタイを外し、手早くワイシャツのボタンを外して、僕の上半身を露わにする。
「浩司兄ちゃん……」
「たくさん痕つけるかも。龍のことが愛しくて仕方ない」
そして僕の肌にむしゃぶりつき、感じさせながら跡をつけていった。
「あ……っは…ぁ、あひぃっ、んっ!」
声をガマンしなくていいと言われたことで、感じるたびにいつもより甲高い声が出る。しかもそれを意識したら、余計に感じてしまって、みずからの手が浩司兄ちゃんの大きいのに触れてしまうとか、普段なら絶対にしないことだった。
「ん? どうした?」
「やっ、あの……えっとその。浩司兄ちゃんのが欲しくて」
「えっ?」
「だって、いつもより気持ちよすぎて、変になりそうなのに、浩司兄ちゃんをもっと傍に感じていたかった」
変なことを口走る僕に、浩司兄ちゃんは嬉しそうに顔を綻ばせた。
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