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お姫様抱っこをして抱え上げた蜜を、硝子性のテーブルにおろした。
じんわりと伝わるガラスの冷たさは大丈夫だろうか……
そんなことを思うのは初めてだった。
いつも、ただ“ヤル”だけの、言ってしまえば穴でしかない相手。
そんな最低な俺でも需要はなくならないのだから、世も末だといっちょ前に思ったりもしていた。
そんな俺が。
こうしてゆっくりと顎を撫でて、目の前の男を心から可愛いと思っている。
誘うように潤んでいる目の形も、小ぶりながらも筋の通った鼻も、きっといい声で鳴くだろう口も。
なんだってこんなにもよく見えているのだろうか。
現に、この陶器のように滑らかな肌へ触るだけで、支配欲が腹の底から込み上げてくる。
___人に行為を持つのは、これだから怖いんだ。
一頻り蜜を眺めた後、その蜜柑色の髪を撫でる。テーブルへ流れる髪の指通りが気持ちいい。
出来る限り、優しく、優しく。そうしてしまうのは、きっと、手放したくないから。
さっきからどちらも外そうとしない視線は、互いの瞳を捕らえたまま。
ゆっくりと、ゆっくりと近付いていけば……蜜の瞳には俺しか映らなくなる。
___それでいい、俺だけを見て、俺だけを求めて……そして堕ちて来い。
そっと触れる唇は蜂蜜のように甘く、柔らかかった。
甘い匂いがして、甘い味がして。一体こいつの身体はどうなっているのか。
そんな誘惑に容易く理性を奪われてしまうのは、きっと俺のせいじゃない。
柔らかい唇に何度も食むように触れる。
可愛らしい行為でさえも、その弾力の気持ちよさを得るには十分だった。
「……やわらか。蜜……舌、出して」
ほんの少し舌を出して見せてやれば、素直に従って同じように出てくる。
そこまで長くない蜜の舌を吸い取るように食み、そのまま絡めつつ、ゆるりと蜜の口内へ。
温かい、気持ちがいい、歯並びは少し悪いがむしろそれがいい。
___さあ、蜜。可愛い声を聞かせてみな。
わざと煽るように口腔内へ攻め入ってしまえば、主導権も思惑も俺のもの。
「ふ……、……んぁ」
……ほら、聞こえてきた。
右手は気持ちよさでつい続けている頭を撫でる作業、左手は器用に蜜のシャツのボタンを外していく作業。
シャツ一枚しか着ていないのは現状ありがたい。正直、早くこいつの全てが見たい。
「可愛い声出しちゃって…気持ちいい?」
顔は惚けているくせに、しっかりと首に腕が回ってきたので、そのまま半身を持ち上げて胡座をかいた上に跨がせる。
その際にずり落ちたシャツから覗く肩がほんのりピンク色に染まっていて驚いた。
そして、俺は無意識にその肩に舌を這わせていた。軽いわ、可愛いわ、肩まで染まるわ……
___心してかからないと俺の方が食われるかもな。
ゆっくりとおろした右手は薄い腰を撫で、やはりそこも滑らかでつい指先が波をうつ。
片や左手はといえば、首元からわざと乳首を通過するように人差し指で胸を通過させる。
___どこをどう触れば、お前はどんな反応をする?
「……蜜は、どこが気持ちいいのか……教えてごらん」
首をべろりと舐めて問うたのも、苛めてやろうと思ったからなのに。
「あっ……全部、全部気持ちいい…」
何か切り替えスイッチでもあるのか……それはもう卑猥な表情で、自分は男も快楽も知ってますと云わんばかりの色気を出して、もっとと強請るような返事が返ってきてしまった。
「全部って……ははっ、この……淫乱」
思わず笑いが出たのは皮肉でもないし、悔しかったわけでも不服だったわけでもない。
単純に面白いと思ったのと、これ以上どう変化するのかが知りたいという欲求がまた増幅したからだ。
そんな相手に期待が膨らみ、思わず上がった口角そのままに蜜の鼻先にキスをした。
___もっと欲しいならくれてやる。全部持ってっていいよ。
お前になら、あげてもいいって思えたから。
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