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三
七生が目を覚ましたのは、翌日の昼前だった。やけにぐっすり眠れた気がしたけれど、昨夜のことをぼんやり思い出して顔を真っ赤に染めた。
(俺、城島さんに抱かれたんだ……)
昨夜、発情期を待たずに、七生は城島に抱かれた。初めて抱かれた時は発情していたため感覚があやふやであったけれど、今回のものはしっかり覚えている。
———快感も、熱も、全て。
あの後、城島が綺麗に後処理をしてくれ、七生の身体を清めてくれたらしい。そのまま朝まで眠って、城島は早くから仕事へ出て行った。
身体のあちこちから城島の匂いがしていて、これでは、昨夜抱かれたことが丸分かりなために、七生は使用人にすら会うのが恥ずかしくなってしまった。
けれど、さすがに昼食まで食べないのは申し訳ない。気まずいけれど下まで降りようと思っていると、ドアをノックされた。
「……あの、七生様? ご昼食、お持ちしたのですけど……食べられますか?」
扉からこちらを覗いて、おそるおそる言ったのはシャーロットだった。
「ありがとう! 食べます!」
きっと、ベータのシャーロットでも分かるくらい、はっきりとした匂いなのだろう。部屋に入ってくるなり一瞬ハッとした顔になったけれど、すぐ普段の優しげな表情に戻って、自分の仕事をせっせとこなしていく彼女に、七生は逆に気を遣わせて申し訳ない気持ちになった。
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