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3つ並んでいる洋式便所の内の1つに入って、便器に座りベルトと外してジッパーを下げる。パンツに手を突っ込んでそれを取り出す。
「っは、く、んんっ」
少し擦るだけでイきそうになって、そのまま手に吐き出した。
自分の手についている精液をトイレットペーパーで拭き取り、トイレに流す。手を洗おうと思い、鏡の前に立った。
鏡に映った自分は確かに痩せているのかもしれない。顔も少しやつれている。
「はぁ…。」
無意識に出た溜め息が誰にも聞かれずに消える。
ブルブルと左右に頭を振って笑顔を作った。
「よし!」
手を洗って保健室にゆっくり歩きながら向かう。
今頃美弥は鬼の形相をしながら俺のことを待っているのだろう。でも俺腹いっぱいなんだけどなー…もっとゆっくり歩こ。
「ただいまー…ぶふぉ!」
「おせーんだよ!星屑!」
保健室の扉を開けた瞬間俺の顔に何かが当たる。
「こぉらー美弥ちゃん食べ物を粗末にしちゃあかんで。はっはっは。」
俺に投げられたのはどうやら開封されていないメロンパンだったようで。
「紫先生!またサボりー?」
「ちょっ、いきなり抱きつくなコーヒーがっ」
メロンパンを片手に持ちながらパイプ椅子に座っている菅真琴(すが まこと)センセー。通称紫先生に抱きつく。うわー紫先生甘い匂いする。
紫先生はこの学校のスクールカウンセラー。前髪で目が見えなくて、いつも紫色のものばっかり身につけてるから紫先生って皆に呼ばれている。あと関西弁。
「俺はちゃんとやることあるから此処に来たんねや!お前らガキとは違うねん!」
「またあれだろ。」
「うん。あれだな。」
俺が紫先生から離れると紫先生はみさきちゃんの前に行って跪く。
「山口先生…いや!みさきちゃん!俺と結婚を前提にお付き合い、」
「ふふ、ごめんなさい。」
「な、なんやと…。」
数秒で断られてガクッと紫先生がうなだれる。この人はたまに保健室に来たかと思うとこうやってみさきちゃんに告白をするのだ。
「じゃ、じゃあ次からは薔薇の花束を持ってきて…。」
「あー紫先生。味覚音痴を治してけん玉とゲーム以外に特技を見つけて遅刻癖も治してお仕事もサボらないでくれたら少しは考えますよ?」
「ほんまかいな?!よっしゃ俺頑張ったるわ!じゃあなみさきちゃあああん!!」
バタン、と保健室の扉が閉められる。
「結局何しに来たんだよあいつ。」
「さぁ…。」
「紫先生は本当にいつも元気ね。…もうすぐ30歳なのに。」
「「30歳?!」」
俺と美弥の声が重なる。
「?紫先生今年で30歳よ?」
あの様子を見る限りそんな風には見えなかった。
「へーそうなんだー。じゃあ俺はそろそろお布団に…。」
こっそりベッドに向かっていると、美弥に腕を掴まれる。
「…りゅーせいくーん?まだ焼きそばパンも食べ終わってませんよー?」
にっこり笑った美弥が今日1番に怖かった。
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