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今日はお腹を殴られた。
僕が何をしたっていうんだ。
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皆僕の苦しみも知らないくせに「金持ちはいつも楽して暮らせていいな」と言ってくる。「お金があるから幸せ」だなんて思わないで欲しい。僕は毎日が生き地獄だというのに。
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父さんと母さんがまた仕事で海外へ行くらしい。
そのまま死んでしまえばいいのに。
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光一の日記を読んで、俺は言葉を失う。
そこに書いてあったのは光一が虐めを受けていた頃のこと。
字が滲んでいたり、丁寧に書いてあるところもあれば殴り書きでよく文字が読めないところもある。
俺は日記をベッドへ持って行き、じっくりと読む。そこで分かったのは
光一が虐められていた理由は「金持ちだから」。
両親は自分に無関心でいつも独りぼっちだったこと。
同情するわけではないが、可哀想だと思った。俺だったら耐えられない。
ビリビリと破られた跡があるページを進むと空白のページが続く。もう何も書いていないようだ。
日記を本棚に戻そうとベッドから降りると、鍵の開く音がした。
俺は慌てて咄嗟に布団の中に日記を隠す。
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