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「僕…。」
光一が自分の唇を噛む。光一の表情が悲しそうな顔に変わっていく。
「もう。独りになりたくな、」
ぱさり。光一の発した最後の言葉はベッドから落ちた本の音でかき消された。
光一が床を覗く。光一の顔から悲しみは消えて、怒ったような、焦ったような表情に変わる。…やばい。
俺が今居る場所から逃げようと身体を動かすと、光一は俺の方を向き、俺の左手首を強く掴んだ。
握られた手首にギリギリと力がかかる。その手からは力が抜けて、細かく痙攣し始めた。
「ご、ごめっ、」
声を出した瞬間視界が変わる。右頬が痛くて俺は顔をしかめた。
「謝るってことは、中身を見たってことですか。読んだってことですか…!」
光一の声は怒りに満ちていて、怒らせてしまったんだな。と少し考える。
暴力を受けたのは久しぶりかもしれない。次こそは殺されてしまうのだろうか。
「ぐふっ!っあ゙!いだっ、!」
強く腹を殴られると、俺の口からは苦い液体が少し零れた。
痛みで動けない俺の手首を離した光一は自分の身につけていた赤いネクタイをシュル、と音を立てながら外し、痛いくらいに俺の両手首を縛った。これは明日跡が残ってしまいそうだ。
何も喋らない光一は俺のことをひたすら殴り続ける。何度も意識を飛ばしそうになったが、次から次へと俺の身体に与えられる痛みで引き戻された。
「こ、ぃち、ごめんなさっ、許、しっ、ゔっ!」
鼻水を垂らしながらボロボロと涙を零して光一に謝るが、暴力を振るうことをやめる気配はない。
光一は俺の右足を肩に乗せて、太ももにある大きな傷に手を伸ばした。
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