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…ガチャッ……
マンションの扉の音に、休日でソファでうたた寝していた久貴が飛び起きる。
バッと時計に目をやるとまだ18時を回ったところ。
五木にしては早過ぎるが、しかし、ここの鍵を持つのは五木のみ。
バタバタと走り出したい衝動を堪え、冷静を装い玄関に向かう。
すると、そこには会いたくてやまなかった久貴の想い人の姿。
「お帰りなさい」
「ああ、ただいま」
同居二週目にして初めてのセリフに、気恥ずかしさと嬉しさがない交ぜになり、胸がぎゅうっと締め付けられる。
しかし、五木に重たいと思われたくない久貴は、平静を装い続ける。
「夕食は、どうしますか?」
ドカッとソファに座りネクタイを緩める五木に見とれながらも問い掛ける。
「先にこっちを確認してくれ」
五木はそう言って無造作に封筒から取り出した写真をローテーブルに広げた。
「お前の元カレってのは、こいつか?」
五木が一際低い声を出す。
久貴はゆっくりと近寄り、恐る恐る写真を確かめた。
そこには、自分を苦しめている元カレの姿。
久貴は震える自身の肩をぎゅっと抑えるように抱き締め、コクリと頷いた。
「そうか。
こっちで勝手に対処していいか?」
グイッと引き寄せられ、五木の膝に座らされ、胸に顔をうずめる。
再び小さく頷くと、五木の手が久貴の背中を宥めるようにポンポンと撫でた。
「窮屈な思いをさせて、悪かったな。
あとは伊藤無しで外出して構わない」
『これで、同居も終わりか…。
あっけなかったなぁ…』
同居前はあんなにドキドキしていたのに、実際は殆ど顔も合わせなかった。
これで終わりかと思うと、涙がにじみ出てくる。
「すみません…迷惑かけてしまって…。
いろいろとありがとうございました…」
久貴が震える声で呟くとほぼ同時に、五木の手が強引に久貴の顎を掴む、
「…っんんっ…」
舌を絡め取られ、息もままならない程に深く激しく口付けられる。
「ふぁっ…」
漸く自由になった口で、久貴が荒い息を整える。
「シャワーを浴びてこい」
久貴への拘束を解いた五木が、冷たく言い放った。
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