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【後日談】独占欲 1
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「おい、店はいつまで続けるつもりだ?」
不機嫌そうに紫煙を吐き出しながら、五木が低い声を出す。
「…どうしたんですか? 突然…」
ケイタイを弄っていた久貴が、少し怯えるようにおずおずと顔を上げる。
――今日は久貴は休みだったが、馴染み客にお礼やお誘いのメールを入れていた所だった――
不機嫌な表情を隠さないまま、五木は煙草を灰皿に押し付けると、久貴のケイタイを取り上げる。
「…五木さんっ…!?」
久貴が小さな声で抵抗を示すが、五木にそれを聞く気はないらしい。
大きなソファに強引に押し倒すと、首筋に噛み付くようなキスをした。
「五木さん! ダメです!」
久貴の抵抗が、今度ははっきりと強いものになる。
先日、――身体だけでなく心も繋げた後――大量の五木の所有印を隠すのに、苦労したのだ。
その痕もやっと消えてきたのに、また付けられては、店で着られる服が限られてしまう。
しかし、やはり五木は久貴に抵抗を許さない。
久貴の意志など無視するかのように、荒々しく服を剥いでいく。
五木から嫌われるかもしれないと不安を抱える久貴は、カタカタと小さく震えながらも、それ以上の抵抗はできずに、ギュッと拳を握りしめ、五木からの陵辱に身構えた。
「…ふっ…ぅ゙っ…」
堪えきれない涙が、久貴の頬を伝う。
悲しいのか悔しいのか、自分でもわからなくなる。
「…五木…さんっ…」
握りしめた手の甲で濡れる目元を覆い隠し、涙声で必死に五木に呼び掛ける。
瞬間、久貴の太ももに噛み付くようなキスをしていた五木が、バッと顔を上げた。
荒々しさは無くなり、一転して、優しく久貴の頬を撫でる。
久貴の手をどかし、赤く腫れる目元に軽くチュッとキスを落とす。
「悪かった。 もうしないから、泣くな」
命ずる口調は相変わらずなのに、久貴の目には、その表情は酷く傷付いたように映った。
丁寧に久貴の衣服を整えた五木は
「頭、冷やしてくる」
小さくそう呟くと、リビングを後にした。
涙が漸く止まり、まだ茫然としている久貴の耳に、パタンと玄関の扉が閉まる音が響いた。
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