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春になり、少し大きめの制服が身を包む。見慣れないその姿に心なしかムズムズしたような気持ちになった。
自分が同性愛者と理解してから時が経ち、早いもので今日で高校生となる。
俺、鹿島 左那(かしま さな)は入学式に心浮かれていた。
「左那〜!準備できた?そろそろ出ないと!」
ノックもせずに部屋のドアを開けたのは、双子の妹 右那(ゆな)であった。
「お前な、ノックしろよな。親しき中にも礼儀あり!......って、スカート短すぎないか?」
「もう、左那は細かいこと気にしすぎ!スカートもこのくらいが可愛いんだって!」
くるりとその場で回った妹は確かに可愛い。しかし。
「俺たちはただでさえ派手って言われるんだから、怖い先輩に目をつけられても知らないぞ?」
「それ、いつの時代?それに!好きなものつけて好きなことして文句言われる筋合いないじゃん。これが誰かに迷惑かけてたら別だけど、今のところかけた事ないし!」
右那は昔から口が達者で、口喧嘩で勝てた覚えがない。言い争いや諭すのは無駄だと察して、そっとしておく事にした。
「そういう左那だって着崩してるくせに〜。そういう事するから遊び人に見られるんじゃないの?お兄ちゃん?」
「......このくらい普通だろ。お兄ちゃん呼び気持ち悪いからやめろ」
普段呼び捨てにされてる分、いきなりお兄ちゃん呼びはむず痒くて照れ隠しに悪態をついた。
「入学式なんてパパッと終わらせて、明日から気合い入れてこう!」
「おー」
「もっとやる気だしてよ!」
「明日から気合いいれるしいいかなって」
「じゃあ今日から!」
相変わらず騒がしい妹に苦笑いしながら、家を出た。
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