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あの後、狐森と仲良くなりそのまま一緒に帰る流れになった。
内心は初日から友人が出来て一安心である。
「狐森、俺の妹も一緒でいいか?」
「いいけど。え、なに。お前妹いるの?って事は双子?」
「そう。めっちゃ元気」
元気、と言った時点で狐森の顔が少し暗くなった。先ほど聞いた話によると騒がしいのは男女どちらも苦手らしく、甲高い女子の声は殊更苦手らしい。
もう一度大丈夫か確認をとれば、大丈夫との事だが本当だろうか。
「左那〜!」
「右那、こっち」
「お待たせ!左那の友達も一緒させて貰ってごめんなさい!」
「別に平気」
パタパタと走ってきた右那はやはり元気で、狐森は少し後退りしながらもなんとか耐えたようだ。
「にしても初日から友達になるなんて、何がきっかけ?」
右那は元気は元気だが、一日中元気!ずっと元気!って訳ではないので半日が終わった今は少し落ち着いている時間らしく、いつもよりは格段に静かなトーンで狐森と会話を始めた。
このテンションとトーンであれば狐森も普通なのか、先ほどまでの警戒はあっさり解けたようで3人でたわいもない話をしながら学校を後にしようとした。
しかし校門は午後から始業式をする上級生達が、帰る新入生を値踏みするように見ていて混雑をしていた。
その混雑の最中、しゃがんでいる人影を発見する。
誰かに不意に蹴られてしまうんじゃないかと心配しながら見ていれば、その人は何かを探すように床を手探りしていた。
思わず様子を伺っていると、何を探しているのかピンときた。
その人の近くにメガネが落ちていたから。
相当視力が悪いのか、中々メガネに辿り着かない手と今にも踏まれそうなメガネにハラハラして俺は行動を起こしていた。
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