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昨日の綺麗な顔が頭から離れない。あの一瞬がコマ送りのように何度も何度も頭の中で再生される。
正直、小学生以来の人を好きになるという出来事に自分も困惑していた。
登校しながら、あの先輩に会う事はできるのかなんて人なんだろうか。そればかり考えて教室の席に着いても右那の話が全く入ってこない。
「うん、左那はやっぱりこの髪型似合う〜!私たち黒髪艶々に生まれてきて良かったね!ママ、パパありがとう!」
「いやいやいや、お前別のクラスだろ。何でいるんだよ」
「まだホームルーム始まらないから大丈夫!左那の髪型気になっちゃって。セットしなきゃって使命感に駆られた」
「当の本人はなんか上の空だぞ」
「昨日お家に帰ってからずっとこんなのだから、もう気にしてない!放っておいて大丈夫だし。じゃ、行くね!バイバイ」
どうやら右那は俺の髪の毛を弄りまわして満足したようで、狐森と話すと早々にクラスに帰って行った。
ずっと呆けていた俺に狐森が心配そうに声をかけてくる。
「なあ、大丈夫か?初日からもう学校嫌になったか?」
「いやもう大丈夫。考え事しすぎてた」
「ノイローゼか?」
「断じて違うから」
とりあえずそれはそれで、ずっと呆けてる訳にはいかない。やばい奴認定されかけてる。危ない。
気を取り直して、さっき右那がセットしたであろう髪の毛を見ようとコンパクトミラーを取り出す。
「そんなん持ち歩いてんの?」
「右那が見た目にはいつも気を遣えってうるさいから。意外と便利だぞ」
スライド式のそれで頭を見れば、なるほど。双子だけあってやはり好みを理解しているようで俺好みのセットだ。
満足だと思って鏡をしまった。
「でも良いよな、マッシュウルフ。俺もそれにしようかな」
「ん?狐森はそのままツーブロマッシュのが似合ってるって」
「いやこれ、下手したらタラちゃんヘアになるから...」
その言葉に吹き出したのはいうまでもない。
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