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「ねえ聞いて!彼氏ができたの」
あの騒ぎから1週間ほど経った頃、学校から帰宅した右那がオレの部屋に飛び込むなり言った。
「良かったじゃん。おめでとう」
「ありがとう!でね、今度連れてきていい?別にヤラシイこと目的とかじゃなくて普通に紹介したいの!」
「んー、別にいいけど紹介なら学校でも良くないか?」
「先輩モテるから、家でゆっくり紹介したいの!」
「......分かったよ」
右那からでた、『先輩』『モテる』のワードに俺は胸騒ぎがした。そんな筈はないと自分に言い聞かせた。
しかし、それはすぐ現実になる。
***
右那の彼氏が出来た報告から3日ほど経った日。
スマホに一件のメッセージが届いた。
『今日先輩を家に招くから直帰して!』
それは右那からだった。両親は共働きでいつも遅いし、わりと早めに会う事になるだろうと思っていたがこんなに早いとは。
そう思いながらも『了解』とメッセージを送り返した。
家に帰りなんとなく落ち着かない気持ちで、右那と彼氏が来るのを待つ。
課題にも手をつけてみてみるが、集中は続かずスマホを弄ってみてもそれは変わらなかった。
やがて30分ほど経って家のドアが開く音がして、びくりと肩が跳ねた。
別に妹が結婚する訳でもないんだ、落ち着けと自分に言い聞かせる。
やがて階段を上がってくる音がして、コンコンといつもされないノックの音が部屋に響いた。
緊張でカラカラの喉でかろうじて『どうぞ』と声を出した。
ガチャリと開いたドアの向こうにはやっぱり、あの先輩がいた。
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