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「左那!この間話した先輩、小鷹 往葉(こだか ゆきは)先輩だよ」
ニコニコと嬉しそうに右那が言う。紹介された先輩は俺を見て少し不思議そうな顔をしながら会釈をした。
喉が渇きすぎて、どうしよう。
舌が縮こまってしまったように言葉につまりながら、なんとか挨拶をした。
「はじめ、まして。兄の左那です」
「左那ったら緊張してるの?大丈夫だよ、先輩優しいから!」
ギュッと右那が小鷹先輩の腕に抱きついた。その光景に胸が痛む。目を逸らした、その時だった。
「私ちょっとコンビニに寄り損ねたから行ってくる!左那、先輩の相手よろしく!じゃあ先輩、行ってきますね。左那を虐めたらダメですよ!」
「えっ?!右那、コンビニなら俺が行くって...!」
「大丈夫!すぐに済むから!あとでね」
引き留めたのも虚しく、右那は慌しく家を出て行ってしまった。
俺は小鷹先輩と部屋に取り残されて、何とも言えない気まずさに包まれた。
「双子、だったんだね」
ぽそりと先輩が言葉を発して、俺は呆けていた意識を取り戻す。
「あ、はい。そうなんです、よね」
言葉に詰まりながら返答すれば、先輩はゆったりと微笑んだ。
その顔にますます胸が締め付けられて、熱くなった。
こんなのは初めてだ。
何か話さなくてはと口を開く。
「右那は元気で可愛いでしょう?自慢の妹なんです」
「そうだね。君も彼女に似て、美人だ。綺麗な兄妹だね」
急に褒められてまた強く胸が脈打つ。
「ほ、褒めても何も出ませんよ!褒めて出るのは...」
そう、これはきっと気の迷いだったんだ。
「出るのは......」
じゃなきゃ、こんな最低な...。
「......先輩、男に興味はありますか?」
こんな最低な事は無いんだから。
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