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爪先立ちのワルツ
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先輩からセフレになろうと言われたあの日、キスをされ硬直していた所に右那が帰宅した。
小鷹先輩は何事も無かったかのように俺から離れて、右那の部屋へと行った。
(そうだよ、先輩は右那の彼氏なのに。俺、何やってんだよ...!)
自己嫌悪に駆られて、胃がぐるぐるした。欲に駆られて妹の彼氏を挑発して、セフレになってしまった。
いや、まだシてないし、まだ引き返せる。小鷹先輩に全力で謝って無かったことにして貰おう。
あの時はパニックだったんだ。だからと言って許される事ではないけれど。
思い立ったが吉日で、翌日の放課後には小鷹先輩の教室へと向かっていた。
3年生の教室はとっても緊張するけれど、それどころじゃない。
キョロキョロと辺りを見回して先輩を探していると、後ろから肩を叩かれた。
「左那くん。何してるの?俺を探してる?」
「小鷹先輩...」
振り返ると探していた相手で、内心ホッとしながらも今から言わなきゃ行けない事でドキドキしていて心臓が過労死しそうだ。
「お時間大丈夫だったら、話があるんですけど...」
「うん、平気。おいで」
先輩は手招きすると、空いた教室へと俺を案内してくれた。
「それで、話って?」
改めて向かい合うと、尚更緊張する。だけど、言わなくちゃいけない。ブレザーの裾を握りしめて、勇気を出して搾り出すそうに言った。
「この間の事、無かったことにして欲しいんです」
怖くて先輩の顔が見れなかった。
しかし俺の耳に届いたのは予想もつかない言葉だった。
「やだ」
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