アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9
-
あれからも先輩の呼び出しは相も変わらず続いている。
好きな人に求められるのはどんな形であれ少し嬉しい反面、右那への罪悪感と自己嫌悪で潰れそうなのも本心だ。
小鷹先輩は最後までシない。それは俺が未経験だから。でももし最後までシたら、俺と右那はどうなってしまうんだろう。
男を理解した先輩は俺を捨てて、右那にも興味が失せてしまうんじゃないだろうか。そしておそらく、俺が先輩を誘った事を言ってしまうんだろう——。
そんな想像に取り憑かれて、夜も眠れず過ごすばかりだった。
「なあ、最近お前クマがすごくないか?」
「そうか?」
「ちゃんと自分の顔見てるか?右那ちゃんも心配してるぞ」
昼休み、狐森は心配そうに俺の目の下にできた濃いクマを撫でた。その体温が優しくて、目を細めて少し微睡んでしまった。
「おい、左那、寝るな。まだ午後あるんだぞ」
「うん、そうだな...」
必死に起こそうとしてくる声が聞こえる。けれど瞼が異様に重く感じて、身体がどろりと溶けてしまいそうな感覚になる。
薄目で見た狐森は仕方なさそうに笑ってた。
「なに、してるの?」
「うわっ!え、小鷹先輩?!」
「えっ?!」
急に聞こえた声に狐森が大きく反応して、俺は狐森が読んだ名前にどきりとして先程までの微睡みから一転飛び起きた。
先輩は俺に触れている狐森の手を睨みつけている。しかし何も言わなかった。
なぜなら隣に、右那がいたからだ。
「ね?左那の顔色悪いでしょ?先輩からも言ってやって下さいよ、ちゃんと寝てって!この頃、先輩と左那仲良いみたいだし流石に小鷹先輩の言うこととなれば、左那も聞きますから!」
右那が甘えるように小鷹先輩に言う。
先輩は全然笑っていない目で口だけ微笑んで『そうだね』と言った。
「左那くん。右那も心配してるし、ちゃんと寝ないと。体力も持たないし、ね?」
一見心配するかのように、先輩は俺の頭を撫でながら諭した。
しかしその手は頭から耳をなぞり、頸を滑った。
「す、すみません...ッ...」
体力なんて残ってなくても、どうせ先輩は好き勝手に俺を求めるのに。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 27