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「ねぇ、今日気分転換に放課後遊びに行こう」
「え、俺ですか?」
「うん」
唐突に小鷹先輩は言った。その目線は俺にまっすぐ向けられていたから、確認をすればやはり俺に向けての言葉だった。
「えー、私も行きたいですっ!先輩は放課後中々遊んでくれないじゃないですか!」
「右那は学校で遊んでるでしょ。今日は左那くんの番だよ」
羨ましそうに右那が声を上げるが、先輩はそれをやんわりと諭して俺に改めて視線を向けた。その目は逃さない、と語っている。
ゾクリと背中が震えた。
「心配だし、俺も行っていいですか?」
そんな中に言葉を発したのは狐森だった。
「左那やっぱり体調悪そうだし、もし途中で倒れたりなんかする事あったら先輩1人より俺もいた方が運びやすいですし」
「平気。左那くんくらいなら余裕で抱っこできるから」
心配してくれて続けて提案した言葉は、小鷹先輩によってピシャリとシャットアウトされてしまった。
「ねぇ、先輩はなんでそんなに左那が好きなの?付き合ってるのは私ですよね?もしかして左那の方が好きとかですか!」
膨れっ面した右那が甘えながら、冗談っぽく先輩に言った。俺は内心ドキドキして、先輩はなんて答えるのだろうと身構えた。
そんな俺の胸中を察してか知らずか、小鷹先輩は意味ありげに微笑んだ。
「どうだろうね?」
はぐらかされた右那はもちろん膨れっ面。狐森もまだ心配そうに俺の様子を伺っている。
「お、俺...やっぱり家に——」
「じゃあ放課後、迎えに来るから」
やはり断ろう。そう思って搾り出した言葉は、被せるように先輩に却下されてしまった。
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