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「いいなぁ、私も行きたかった」
「...なんかあったらすぐ連絡しろよ」
強引に言うだけ言って去っていった、小鷹先輩を尻目に2人が言った。
右那はまだ羨ましそうにして、俺をジトリと睨みつけた。それを軽く制するようにしながら、狐森も俺を振り返った。
「別に、小鷹先輩だし...平気だろ」
そんな事を強がりで言ってみたけれど、きっと平気なんかじゃない。先輩は何かをしかけてきそうな気配がする。
それに、俺の心はやっぱり右那への罪悪感でいっぱいである。ちゃんと『恋人』である右那をほっておいて、先輩と俺はこれからヤラシイ事をしようとしてる。
その行為が悪い事だって理解していて、罪悪感もあるのに先輩と関係を持てて喜ぶ俺もいる。
ドキドキと高鳴る期待を止められなくて苦しい。放課後が待ち遠しいけれど、放課後になって欲しくなかった。
***
「左那くん、行こう」
「は、はい」
放課後になると、小鷹先輩は宣言通りに俺を迎えにきた。
その頃にはもう駄々を捏ねるのを諦めた右那と、狐森が俺たちを見送って2人で帰って行った。
「先輩、今日は本当にどこか行くんですか?」
「ん?うん」
2人が行ってしまったというのに、校門で俺の顔を見て動こうとしない先輩につい痺れを切らして聞くと気のない返事が返ってきた。
かと思えば、スタスタと歩き始める。今更だが、先輩は本当にマイペースな人だ。
「すぐ着くよ」
慌てて追いかけた俺に一言だけそう言って、その後は振り返らなかった。
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