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君とスローステップ
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「左那くん、お風呂沸いたって」
「んぅ...」
重く沈んでいた意識が、優しく静かな声で浮上する。俺はその穏やかな声を聞くと心臓が騒ぎ立てる。
まるで浮き出し立った乙女のようだ。
———ちゅ。
唇に、柔らかくて冷たい感触がした。
「ねぇ、起きないと...止まらなくなっちゃうよ?」
「う...ぅん...」
「仕方ないか」
誰かの呟く声と、浮遊感。暖かい物が離れて行ってしまう感覚に俺はやっと薄目を開けた。
「......え?」
「あ、起きた?」
「な、な、何やって...なに、え?えっ?!」
「ちょっと落ち着いて、痛い。叩かないで」
起きた俺の前には小鷹先輩がいて、俺は先輩に抱えられていた訳だけど問題はそこじゃない。
「何で服脱がしてるんですかっ!しかも人が寝てる時に!変態!」
「違うよ、誤解だって」
はだけさせられたバスローブ。下着いがい身に付けてなかったから、全てが丸見えで。
恥ずかしさのあまり小鷹先輩にがむしゃらに手を振り回した。
先輩は振り回される俺の手を何とか掴んで、誤解だと繰り返す。
「お風呂溜まったから、連れて行こうと思って」
「お風呂...?あっ!」
お風呂と言われて、自分が寝る前に興味本位で湯を張っていた事を思い出す。
「入りたかったから溜めたんでしょ?だから起こしたのに、俺傷付いちゃった」
「う......」
ぷくっと拗ねたような表情をする先輩に、罪悪感が少し顔を出す。普段しないような幼い言動で揺さぶりをかけるのはやめて欲しい所ではある。大変俺に効いてしまうからだ。
「どうしたら許してくれますか?」
俺の問いかけに、小鷹先輩の目が意地悪に光った。
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